国内で富裕層が増加するなか、親からの資金援助を受けつつ、一見すると質素な生活を送る「親リッチ」という層が注目を集めています。2020年2月5日の時点で、野村総合研究所の推計によれば、親や祖父母が1億円以上の金融資産を持つ20代から50代の男女は、国内に235万人も存在します。
彼らは家業の傍らで働いたり、配偶者の籍に入っていたりと目立たない存在ですが、実は消費を活性化させる大きな潜在力を秘めています。従来は跡継ぎだけが資産を相続するケースが主流でしたが、近年は兄弟姉妹にも平等に資産を分配する親が増えており、経済的な余裕を持つ若年・中年層が急増しているのです。
「親リッチ」の消費特性とSNSの反響
では、この「親リッチ」はどのような消費行動をとるのでしょうか。調査によると、彼らは一般の人よりも新しい商品やサービスに飛びつく好奇心が旺盛です。ネット通販やキャッシュレス決済を巧みに使いこなし、金融リテラシーが高い点も特徴です。SNS上でも「親リッチ層は意外と堅実だが、体験への投資は惜しまない」「デジタルネイティブ世代の富裕層は、古い付き合いよりも利便性を優先する」といった意見が飛び交っています。
一方で、百貨店の外商担当者による古典的なサービスを「暑苦しい」と感じるなど、親世代の古いやり方には拒否反応を示すこともあります。親が好んだ高級外車にも興味を示さない場合があり、これまでの顧客関係を引き継ぐだけでは、彼らの心をつかむのは難しい時代に突入していると言えるでしょう。
信頼をつかむために必要な「一芸」とは
彼らの心を開くためには、家族単位で悩みに寄り添い、世代を超えた長期的な信頼関係を構築することが重要です。金融機関では担当者を長期間固定し、親子間の考え方のギャップを埋めるような対話が求められています。また、単なる物売りではなく、経営の知見や「生きた経済学」を提供できる場づくりも有効な一手となるでしょう。
特筆すべきは、宮本弘之氏が提唱する「一芸」の重要性です。幼い頃から豊かな環境で育ち、目も肥えた彼らを納得させるには、突出した技術力や、顧客が求める情報を世界中から探し出すような徹底した執着力が不可欠です。私自身も、企業が単に商品を並べるのではなく、その道のスペシャリストとして深い洞察を示す姿勢こそが、新しい富裕層と共鳴できる唯一の道だと確信しています。
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