2020年2月4日、道銀地域総合研究所から衝撃的な推計が発表されました。世界的に猛威を振るい始めた新型コロナウイルスによる肺炎の影響を受け、北海道の観光産業が甚大な危機に直面しているというのです。もし3月末まで中国からの訪日客が減少した場合、道内の宿泊や飲食などを含めた観光消費の損失額は、最大で426億円に達する可能性があると予測されています。この数字が示すのは、北海道経済にとって中国からの観光客がいかに不可欠な存在であるかという現実でしょう。
今回の試算は、北海道や国土交通省が保有するデータを精査し、1月から3月にかけての中国人観光客数を38万1912人と想定した上で算出されました。ここで重要となるのが、中国政府による団体旅行の禁止措置が3月末まで継続するという前提です。この条件に基づき、損失額を3つのパターンに分けて分析したところ、事態の深刻さが浮き彫りになりました。
想定される3つのシナリオと経済への波及
まず、団体客が完全にゼロになった場合、約9万5000人の減少で212億円の損失が見込まれます。さらに、団体客だけでなく個人旅行向けのパッケージ利用者までゼロになれば、減少幅は13万5000人に拡大し、損失額は301億円へと膨らみます。そして最も影響が深刻なケースとして、団体・パッケージ客に加え、個人で旅行を手配する層までが半減してしまった場合、実に19万1000人が北海道に来なくなる計算となります。その結果、観光消費だけで426億円もの損失が発生してしまうのです。
専門的な視点で補足すると、ここで使われている「観光消費」とは、宿泊費や飲食費、お土産代など、旅行者が現地で直接支払う金額を指します。つまり、この数字はホテルの稼働率低下や飲食店での売り上げ減少が直撃することを意味しています。さらに、道銀総研は波及効果を含めた経済的損失にも言及しており、観光客の減少に伴う企業活動の停滞などを合わせると、北海道内の生産減少額は最大641億円にのぼると試算しています。
このニュースを受けてSNS上では、地元の観光事業者から悲鳴に近い声が上がっています。「予約が次々とキャンセルされ、春先の見通しが全く立たない」「地元の特産品を買ってくれる層がいなくなるのは痛すぎる」といった投稿が相次いでおり、地域経済の先行きを不安視する声が隠せません。感染症の拡大という抗いがたい力に対し、観光立国を掲げる北海道がどれほどの打撃を被るのか、私たちも他人事ではない危機感を持って注視していく必要があるのではないでしょうか。
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