地球温暖化は、現代社会において避けては通れない最重要の政策課題です。2020年2月6日の情報によれば、米ハーバード大学のジェフリー・フランケル教授は、単なるスローガンや気候モデルの計算だけでは、もはやこの危機を乗り越えることはできないと警鐘を鳴らしています。SNS上でも、多くの若者が自身の未来を憂い、グレタ・トゥンベリさんのような活動に共鳴する声が溢れています。しかし、真に実効性のある対策を講じるためには、感情的な叫びを超えた「戦略的な政策」が不可欠なのです。
まず注目すべきは、金融機関の役割の変化です。これまで銀行や保険会社は、過去の気候データに基づいてリスクを算出してきました。しかし、これからは温暖化による災害が頻発する「未来の可能性」を基準にする必要があります。また、イノベーションも重要ですが、テクノロジーはあくまで手段です。政府が担うべき真の役割とは、再生可能エネルギーの研究を支える適切な補助金政策と、市場における公正な炭素価格の確立に他なりません。
「炭素税」がもたらす変革と未来への道筋
フランケル教授が提唱するのは、二酸化炭素(CO2)の排出コストを直接的に引き上げる「炭素税」の導入です。排出量取引制度も議論されていますが、過去の欧州の事例を見ると、産業界の圧力を受けて排出枠が甘く設定される懸念が拭えません。炭素税であれば、CO2を排出すること自体にコストがかかるため、企業は長期的な投資計画を立てる際、よりクリーンなエネルギーを選択せざるを得なくなります。まさに経済の力で、環境への意識を強制的に変えていくのです。
私は、この炭素税の導入こそが、社会を変える最も現実的なエンジンになると確信しています。もちろん、税だけで全ての脱炭素を達成するのは非現実的です。私たちが目指すべきは、炭素税という経済的規律を軸にしつつ、情報通信技術(ICT)やライフスタイルの変革といった総合的な戦略を組み合わせることです。政治家には、単なる目標の掲示だけでなく、今後100年にわたって炭素価格がどのように上昇していくかという、明確な長期ビジョンを提示する責任があります。
政治を動かすのは「若者の投票」である
とはいえ、どんなに優れた経済モデルを描いても、政治が動かなければ絵に描いた餅です。SNSでは、多くの若者が「政治は何をしているのか」と不満を漏らしています。しかし、その答えは非常にシンプルです。それは、若者自らが投票所へ行くことです。18歳から24歳の世代が年配層と同じ投票率を達成すれば、政治の結果は劇的に変わるはずです。
もし、環境政策を軽視する現状を変えたいのであれば、デモに参加するだけでなく、必ず有権者登録を行い、自分たちの未来を守ってくれる政治家を選ぶべきでしょう。そうしてこそ、米国をはじめとする各国は、パリ協定といった国際的な枠組みに真剣に取り組み、温暖化対策を先送りする言い訳を失います。未来の社会システムを作り変えるのは、データではなく、私たちの意志が反映された「一票」の積み重ねなのです。
コメント