新型肺炎の影響で原油価格が急落!OPECプラスが打ち出す次なる「価格防衛策」とは

2020年2月6日現在、世界中を不安の渦に巻き込んでいる新型肺炎の感染拡大。この影響は人々の健康だけでなく、経済の根幹であるエネルギー市場にも深刻な影を落としています。需要減少への懸念から石油価格が急落し、市場はかつてない緊張状態にあります。この危機を乗り越えるべく、OPEC(石油輸出国機構)とロシアを中心とする主要産油国「OPECプラス」が、迅速な価格下支え策を講じようと動き出しました。

今回の事態を受け、関係各国の動きが加速しています。サウジアラビアのサルマン国王とロシアのプーチン大統領は2020年2月3日に電話会談を行い、協調体制を改めて確認しました。また、ウィーンでは実務者レベルでの協議が重ねられています。注目すべきは、当初3月に予定されていた閣僚会合を、2月中に前倒ししようとする議論が浮上している点でしょう。現状の危機に対する産油国側の強い焦りが、この迅速な動きから伝わってきます。

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日量50万バレル規模の減産を検討か

現在検討されている主な策は、日量50万バレル程度の追加減産です。OPECプラスは、既に2017年1月から協調減産を継続しており、2020年1月からはさらに減産幅を拡大したばかりでした。しかし、追い打ちをかけるような今回の事態に、さらなる踏み込んだ対策が求められています。一部報道では、サウジアラビアが単独で日量100万バレルの追加減産を行い、市場に強いメッセージを送る案まで噂されており、予断を許さない状況です。

今回の価格下落の主因は、世界最大の原油輸入国である中国の需要が急減したことにあります。中国はアジアの生産ネットワークの要であり、サプライチェーン(部品供給網)が停止したことで、石油需要が一時的に日量300万バレルも減少したという試算さえあります。この「需要の蒸発」に対し、市場参加者は長期的な悪影響を懸念しており、先物市場の価格にもその悲観的な見通しが色濃く反映されています。

未知なるウイルスが突きつける、新たな試練

産油国にとって最も頭が痛いのは、新型肺炎という脅威がどの程度の範囲で、どれだけの期間続くのか、全く予測が立たないという点でしょう。2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行した当時と比較しても、現在の中国が世界経済に占める割合は圧倒的に高まっています。それだけに、世界経済への波及効果は計り知れません。

私個人としては、今回の急落が単なる一過性のショックにとどまらない可能性を強く危惧しています。現在、投資の世界では、環境や社会問題を重視する「ESG投資」の潮流が強まっています。ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字をとった言葉で、従来の財務情報だけでなく、これらの要素を重視して企業や国家を評価する考え方です。この流れは、「脱石油」という構造的な市場変化を加速させる要因にもなり得ます。

SNS上では「需要が戻るのか不安」「ガソリン代が下がるのは助かるが、世界経済の停滞は怖すぎる」といった声が散見されます。消費者の目線と資源国側の思惑が複雑に絡み合う中で、今まさに大きな時代の転換点に立たされているといえるでしょう。私たちはエネルギーの未来が、ウイルスという未知の力によって大きく揺さぶられている現実を直視しなければなりません。

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