2020年2月5日に実施されたスバルの2019年4月から12月期の決算会見にて、岡田稔明取締役専務執行役員が、急速に拡大する新型肺炎の影響について言及しました。同社は中国国内に自社生産拠点こそ持たないものの、グローバルなサプライチェーンの中で中国企業と密接に関係しており、部品調達の停滞が懸念される状況です。自動車業界全体を覆うこの不安は、単なる一企業の課題にとどまらない深刻さを孕んでいます。
岡田氏は現在、非常に慎重な姿勢で事態を注視していることを明らかにしました。特に注目すべきは、供給網における「ティア1」と呼ばれる一次部品メーカーへの調査を急いでいる点です。ティア1とは、完成車メーカーである自動車会社に対して、エンジンやトランスミッションといった大きなユニットや重要部品を直接納入する、極めて重要なパートナー企業のことを指します。この層での供給混乱は、即座に工場のライン停止に直結しかねない重要なポイントです。
供給網を守るための代替調達という選択肢
現状では直ちに工場を停止する事態には至っていませんが、スバルは全体の状況把握に苦心しているのが実情です。岡田氏は、今後の感染拡大を見越した先手必勝の策として、中国以外の国や地域からの「代替調達」も検討を始めていると述べました。生産活動や業績への打撃を最小限に抑えるため、有事の際にも柔軟に対応できるリスクマネジメント体制を構築しようという強い意思がうかがえます。
このニュースに対し、SNS上では自動車業界の先行きの不透明さを懸念する声が広がっています。「部品の一つでも欠ければ車は完成しないのだから、本当に他人事ではない」といった業界関係者からの切実な声や、「スバルのようなメーカーでも状況把握に苦労しているとは、事態は相当深刻なのではないか」と、サプライチェーンの複雑さに注目する冷静な意見が目立ちます。世界的な分業体制の弱点が、図らずも露呈した形と言えるでしょう。
堅調なSUV需要と市場の逆風
一方で、2019年4月から12月期の業績にも目を向けてみましょう。同社の連結売上高は前年同期比3.9%増の2兆4845億円と健闘しています。特に主力市場である米国では、「フォレスター」や「アセント」といったSUVの販売が好調で、販売台数は4.8%増の52万台を記録しました。この背景には、顧客のニーズを的確に捉えた製品開発があることは間違いなく、企業の底力を見せつけています。
ただ、純利益は5.4%減の1116億円と減益となりました。国内販売においても、2019年10月の大型台風や消費増税という外的要因に加え、主力車種「インプレッサ」のモデル切り替え時期が重なったことで9%減という厳しい結果になっています。外部要因をコントロールすることは難しいからこそ、今回の新型肺炎のようなリスクに対し、いかに強靭な体制を築けるかが今後の鍵となるはずです。
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