【激動の2019年】日本電産がオムロンの車載事業を買収!CASEの大波が変える自動車業界の新常識

2019年12月25日現在、自動車業界は「CASE」と呼ばれる巨大な変革の波に飲み込まれています。CASEとは、つながる車(Connected)、自動運転(Autonomous)、共有(Shared)、電動化(Electric)の頭文字を取った言葉で、これまでの「車は所有してガソリンで走るもの」という常識を根本から覆す次世代の潮流を指します。

この激流の中で、大きな決断を下したのが日本電産とオムロンです。2019年10月末、日本電産はオムロンの車載子会社「オムロンオートモーティブエレクトロニクス(OAE)」の買収を完了させ、新会社「日本電産モビリティ」を誕生させました。約1000億円という巨額の買収劇は、業界全体に大きな衝撃を与えています。

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なぜ今、事業を売却するのか?オムロンが下した究極の「選択と集中」

オムロンの車載事業は赤字だったわけではありません。むしろ、投下した資本に対してどれだけ効率的に利益を上げたかを示す「ROIC(投下資本利益率)」は約10%と良好な数字でした。しかし、CASEへの対応には莫大な投資が必要となります。オムロンは自社の資源を工場の自動化やヘルスケアに集中させるため、あえて好調な事業を手放す道を選んだのです。

SNSでは「黒字事業を売るなんて勇気がある」「これぞ経営の鏡」といった驚きの声が上がっています。CASE時代は、すべてを自社で抱え込むことがリスクになる時代と言えるでしょう。オムロンの判断は、将来の競争を見据えた極めて戦略的な撤退であり、同時に主力事業を研ぎ澄ませるための「攻めの守り」であると私は評価します。

「ポンと乗せればEVに」日本電産・永守会長が狙うゲームチェンジャーの座

一方で、買収した日本電産の永守重信会長は「EV作りを楽にする」と強気の姿勢を見せています。同社は強力なモーター技術を持っていますが、そこにオムロンが誇る約600人のエンジニアと制御技術を融合させることで、モーターとシステムを一体化した「モジュール」の提供を目指しています。これは、新興メーカーが手軽にEV市場へ参入できる環境を整えることを意味します。

実際に、EV駆動用モーターの受注は2019年7月からの3カ月間で5倍に跳ね上がり、2023年度までに455万台という驚異的な積み増しを見せています。永守会長が掲げる「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」という精神が、新会社にも浸透すれば、日本電産は世界のEV市場で圧倒的な覇権を握ることになるでしょう。

ティア1メーカーの苦悩と、スピードが命の投資競争

これまでの自動車業界を支えてきた「ティア1(自動車メーカーに直接部品を納める一次サプライヤー)」にとっても、2019年は試練の年となりました。ソフトウエア開発の負担が激増し、すべてを自前で揃える限界が見え始めています。これからは優れた技術を外部から調達し、いかに早く製品化するかが生き残りの鍵となります。

日本電産が目指すスピード経営は、まさにこの業界の弱点を突いたものです。参入障壁が下がり、中国などの新興勢力も追い上げてくる中で、「絶対的なスピードで投資しなければチャンスを失う」という永守会長の危機感は、すべてのビジネスパーソンが共有すべき教訓ではないでしょうか。2020年も、この巨人の一挙手一投足から目が離せません。

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