鳥取から世界へ挑む!寺方工作所が温間鍛造技術で拓く自動車部品の未来

鳥取県北栄町を拠点とする金属プレス加工の老舗、寺方工作所が自動車部品の生産体制を大幅に強化しています。同社は2020年2月から順次、総額約20億円を投じて建設を進めてきた新工場へ、温間鍛造(おんかんたんぞう)向けのプレス機8台を導入し、早期稼働を目指しています。このプロジェクトは2018年から着手されており、自動車産業界からの期待が高まっています。

そもそも「鍛造(たんぞう)」とは、金属を叩いたりプレスしたりして成形する加工法のことです。大きく分けて、素材を1000度以上にする「熱間(ねっかん)鍛造」と、常温で行う「冷間(れいかん)鍛造」があります。熱間は小さな力で加工できる一方、冷却時の収縮で精度が落ちやすく、冷間は高精度ですが大型設備が必要という課題がありました。

スポンサーリンク

独自の「温間鍛造」がもたらす高品質なものづくり

寺方工作所が確立したのは、その中間である300度前後の温度域で素材を制御する独自の温間鍛造技術です。この手法により、過剰な膨張を防ぎつつ高効率で精密な部品製造が可能になりました。特にステンレス鋼を加工する際、従来法では避けられなかった「磁性を帯びる」という難点も克服しています。

この技術は現場で「カツオのたたき」に例えられます。金型のみを加熱して素材の表面だけをプレスする手法で、小さな精密部品を驚くべき精度で仕上げられるのです。2019年には3つの特許を取得するなど、その技術力は折り紙付きです。実際に2019年には国内大手自動車メーカーからブレーキやシフト関連部品の新規受注を獲得し、着実に実績を積み上げています。

鳥取から発信する技術力への期待

自動車産業の集積地から離れた鳥取県から、独自の技術を武器に勝負を挑む姿勢には、多くの読者から称賛の声が寄せられています。「地方発の町工場が特許技術で大手自動車メーカーを動かすのは胸が熱くなる」「日本のものづくりの強みを感じる」といったSNS上での反響も大きく、地域産業の希望の星となっています。

私個人としても、この寺方社長の「不利な立地を独自技術で覆す」という挑戦心には強く共感します。グローバルな競争が激化する中で、こうしたニッチで高度な技術を磨き上げる企業こそが、日本の製造業の屋台骨を支えているのではないでしょうか。

今後は特許技術をさらに活用し、現在の外形50~60ミリ程度の部品から、100ミリ程度までの大型部品への受注拡大を目指しています。2022年からの本格稼働を経て、2025年7月期には売上高28億円という高い目標を掲げる同社の快進撃から、これからも目が離せません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました