2020年1月23日、九州電力玄海原子力発電所が立地する佐賀県玄海町の町政を揺るがす事実が明らかになりました。脇山伸太郎町長が、2018年7月31日の初当選直後、福井県敦賀市の建設会社「塩浜工業」側から現金100万円を受け取っていたのです。このニュースは瞬く間に広がり、ネット上では「原発マネーの不透明な構造が地方自治を蝕んでいるのではないか」といった厳しい批判や、「当選祝いという名目の贈収賄ではないか」と法的責任を問う声が相次いでいます。
脇山町長は取材に対し、現金受領の事実を認めつつも、最近になって返還したと釈明しています。町長は「当初から返すつもりで保管していた」とし、特定の便宜は図っていないと強調しました。しかし、多忙を理由に当選から長期間にわたり金庫に保管していたという説明に対し、多くの国民は納得しがたい違和感を抱いているのではないでしょうか。原発という巨大インフラが絡む自治体の長として、あまりにも不用意な対応と言わざるを得ません。
癒着の構図と法的な懸念
今回の事態を深く読み解くためには、背景にある企業の動きに注目する必要があります。塩浜工業は、関西電力の役員らに金品を贈っていた高浜町の元助役・森山栄治氏に対し、月額50万円もの顧問料を支払っていた事実が既に判明しています。同社は、原発立地自治体のトップが持つ電力会社への影響力に期待し、工事受注に向けた地ならしを行っていた可能性が極めて高いと言えるでしょう。
ここで重要となるのが、政治資金規正法というルールです。この法律は、政党以外が企業や団体から直接献金を受けることを原則として禁じています。脇山町長が「当選祝い」として受け取ったとされるこの現金が、もし塩浜工業の法人資金から支出されたものであれば、法律に真っ向から抵触する恐れがあります。公人としての自覚が問われる重大な局面だと言えるでしょう。
繰り返される不信感と私たちの視点
脇山町長は、もし捜査の対象となった場合には辞職を検討する姿勢も示しています。しかし、事態は「返したから終わり」で済む問題ではありません。原発関連工事は巨額の予算が動く公共性の高い事業であり、そこに関わる自治体の首長には、極めて高い透明性とクリーンな姿勢が求められます。疑惑を持たれること自体が、行政に対する住民の信頼を大きく損なう行為なのです。
私個人としても、このような不透明な金のやり取りが、今後の原発事業の公平な運営を阻害するのではないかと強く懸念しています。建設会社側が事実関係の確認を「当時の担当者が亡くなった」として避けている点も極めて無責任です。再発防止には、外部からの監視を強化するとともに、地方行政の闇に光を当てる透明なルール作りが急務ではないでしょうか。
コメント