【北海道観光の危機】新型肺炎の直撃で損失200億円超か!新千歳の中国人入国3割減とマスク狂騒曲のリアル

冬の絶景が多くの人々を魅了する北海道ですが、いま未曾有の事態に直面しています。拡大を続ける新型コロナウイルスによる肺炎が、ハイシーズンを迎えた北の大地の観光業へ深刻な影を落としているのです。北海道が2020年2月7日に公表した試算によると、中国人観光客の減少が2020年3月まで長引いた場合、観光消費が少なくとも200億円以上も目減りするという衝撃的な予測が明らかになりました。SNS上でも「楽しみにしていた雪まつりが静かで寂しい」「地元の経済が心配すぎる」といった不安の声が相次いで寄せられています。

この冷え込みの背景には、中国政府による海外への団体旅行禁止措置があります。これが2020年3月末まで継続した場合、北海道を訪れる中国人観光客は約9万人も減少する見込みです。北海道を訪れる中国からの旅行者は、例年全体の半数近くにあたる45%が団体ツアーや個人向けのパッケージ商品を利用しているため、この制限が与える打撃は計り知れません。実際に道内約350軒の宿泊施設を調査したところ、2020年3月末までの予約で1施設あたり平均約420人分ものキャンセルが発生している状況です。

さらに足元を支える移動手段にも深刻な影響が及んでいます。道内の観光貸し切りバス会社40社からは、なんと約1700台分もの予約が取り消されたという悲痛な報告が上がりました。こうした事態を受けて、鈴木直道知事は2020年2月7日の記者会見において、時期を見極めながら効果的な対策を講じる意向を強く打ち出しています。他県に目を向けると、岐阜県ではすでに宿泊代金を割り引くお得なクーポンの配布をスタートさせており、北海道としても一刻も早い具体的な救済策の実施が強く望まれるところでしょう。

実際の現場では、中国からの渡航者が目に見えて急減しています。札幌出入国在留管理局のデータによると、中国の大型連休である春節(旧正月)の期間にあたる2020年1月24日から2020年2月2日までの10日間に、新千歳空港から入国した中国人は約1万2900人にとどまりました。これは前年の同じ時期と比べて32%もの大幅な減少となります。この渡航制限のような水際対策は、ウイルスの国内流入を防ぐ検疫(けんえき)として重要である一方、観光依存度の高い地域にとっては諸刃の剣と言わざるを得ません。

この影響は中国からの団体客だけにとどまらず、個人旅行客や他国からの観光客にも波及しています。外国人入国者数全体で見ても、前年同期比で21%減の5万6050人へと急激に落ち込みました。日本人の入国者が3080人と前年より7%増えていることとは対照的な結果です。定山渓などの有名温泉地でホテルを運営する札幌市内の観光会社では、2020年3月までに6000人の予約が消え、8000万円の減収を見込んでいます。「書き入れ時にこの惨状は痛すぎる」と担当者は肩を落としており、現場の苦境が伝わります。

地元の住民もこの異変を肌で感じているようです。札幌市在住の公務員男性は「例年の春節や雪まつりの時期に比べて、明らかに外国人の姿が少ない」と語ります。いつもなら国内外からの見物客で身動きが取れなくなるほど大混雑する「さっぽろ雪まつり」の大通会場も、今年は比較的ゆったりと歩けるほど空いている印象だといいます。人混みが緩和されたことで観光がしやすくなったという側面はあるものの、華やかなお祭りの裏でこれほどの経済的な損失が膨らんでいる現状には、非常に複雑な思いを抱かざるを得ません。

一方で、街中では別の異常事態が巻き起こっています。札幌市中心部のドラッグストアでは、朝一番に入荷したマスクが午後の早い時間には完全に売り切れてしまう事態が日常化しているのです。「アインズ&トルペ」を展開するアインホールディングスによると、マスクの売上は前年の2倍以上という驚異的なペースで推移しています。現在はお店側も品薄を防ぐため、マスクや消毒液の購入を「1人3点まで」に制限する個数制限の措置をとっていますが、感染への恐怖から生まれる買い占めの心理はしばらく収まりそうにありません。

多くのインバウンド客、いわゆる「訪日外国人旅行者」で賑わう大丸札幌店の担当者も、「来店されるお客様の数も売上も、非常に厳しい局面を迎えている」と頭を抱えています。本来であれば、雪まつりと春節という2大イベントの相乗効果で大きな経済効果が生まれるはずだったこの季節。その目算は見事に外れ、見えないウイルスの脅威が北海道の観光経済を直撃しています。一刻も早い事態の終息と、地元の基幹産業である観光業を支えるための手厚い公的支援が今こそ必要不可欠であると私は強く確信しています。

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