FRB利下げへの期待感が米国株の買い時を呼ぶ?新型肺炎の逆風を跳ね返すウォール街の強気シナリオ

2020年2月3日の米国株式市場は、これまでの重苦しい雰囲気を一掃するような、力強い反発を見せました。ダウ工業株30種平均の上げ幅が一時、前週末と比べて300ドルを超える場面もあり、市場の底堅さが証明されています。世界中を震撼させている新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、一時は弱気なムードが漂ったものの、投資家たちは決して悲観していません。SNSでも「絶好の押し目買いのチャンスがやってきた」と息巻く声が数多く見られ、市場はポジティブな熱気に包まれています。

こうした強気派の自信を根底から支えているのが、米国の中心的な中央銀行である連邦準備理事会(FRB)への熱烈な期待感です。FRBとは、日本でいう日本銀行のような存在であり、アメリカの金融政策をコントロールする重要な機関を指します。市場では、FRBが景気を下支えするために、さらなる手を打ってくれるはずだという楽観論が広がっているのです。暴落を恐れるどころか、この局面を利益に変えようとするプロたちの思惑が、市場の動きから鮮明に浮かび上がってきます。

ある著名なリサーチ会社は、直近の大幅な下落について、週末の悪材料に備えた一時的なリスク回避に過ぎないと分析しました。「コロナウイルスを口実にした、高値圏での健全な価格調整だ」と言い切る姿勢からは、米国経済への強い信頼が伺えます。ネット上でもこの見解にに賛同する投資家が多く、パニック売りを起こすような局面ではないという認識が共有されているようです。ピンチをチャンスと捉える、ウォール街ならではの強靭なメンタリティが垣間見えるでしょう。

さらに、大手金融機関であるJPモルガン・チェースが顧客向けに発信したメモも、トレーダーたちの間で大きな話題を集めています。そこには「世界的な製造業の復調」や「米中貿易摩擦の緩和」など、いま株式を買うべきとされる7つの根拠が明記されていました。その中でも特に注目されているのが、世界中の中央銀行が足並みを揃えて実施している金融緩和策です。FRBは市場の混乱を防ぐために、私たちが想像する以上に慎重かつ手厚いサポートを続けるに違いありません。

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市場の期待が集まる量的緩和と利下げの行方

現在、投資家たちの関心は「QE4」と呼ばれる量的緩和第4弾の行方や、景気悪化を未然に防ぐための予防的利下げに集まっています。量的緩和とは、中央銀行が市場から国債などを大量に買い入れることで、世の中に出回るお金の量を増やし、経済を活性化させる政策のことです。これまでもこの政策が株高の強力なエンジンとなってきましたが、FRBのパウエル議長は2020年1月29日の会見で、この政策の終了が近いことを匂わせていました。しかし、市場は異なる未来を予測しています。

新型肺炎という想定外の事態が発生した今、FRBは国債の買い入れを止められないだろうと、市場は都合よく解釈しているのです。FRBの高官からは「経済への影響を判断するのは時期尚早であり、景気減速の証拠がない限り利下げはしない」という慎重な発言も飛び出しています。これは市場の過熱感をなだめるための牽制球とも受け取れますが、投資家たちはこのような公式メッセージを完全に無視し、自分たちの都合の良いシナリオを信じ込んでいる状況です。

実際に、金利の先物価格から市場が予測する利下げ確率を算出すると、2020年末までに利下げが行われる確率は9割近くまで跳ね上がっています。これには著名な投資家も、FRBの「金利維持」という言葉がいかに市場に信用されていないかを、皮肉を交えて指摘するほどです。私自身の見方としても、市場の膨らみすぎた期待は時に危険を伴いますが、今回のFRBに対する「期待」は、単なる盲信ではなく確かな政治的背景に裏打ちされていると感じています。

なぜなら、2020年2月3日からはアメリカの大統領選挙に向けた動きが本格的にスタートしているからです。もし本選を前に株価が大きく崩れるようなことがあれば、再選を狙うトランプ大統領がFRBに対して猛烈な利下げ圧力をかけることは火を見るより明らかでしょう。強気派の投資家たちは、FRBが最終的に政治や市場のプレッシャーに抗いきれず、何らかの救済措置をとるはずだと見透かしています。今後の命運を握るパウエル議長の議会証言から目が離せません。

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