鉄道ファンや投資家の間で、いま大きな注目を集めているニュースが飛び込んできました。愛知県名古屋市に本社を置く大手鉄道車両メーカーの日本車両製造が、2020年3月期の連結純利益の見通しを上方修正したと発表したのです。当初は37億円と予想されていましたが、それを4億円上回る41億円にまで引き上げました。これには、同社が手掛ける建設機械事業の好調ぶりが大きく背景にあるようです。
今回の発表を受けて、SNSなどのインターネット上でも多くのユーザーが敏感に反応を見せています。ネット上では「一時は米国事業で苦戦していたけれど、国内でしっかり巻き返してきて安心した」「さすが技術力の日本車両ですね」といった、同社を応援する温かい声が数多く寄せられていました。また、新幹線の製造に関する期待感から、今後の株価の動向を注視する投資家のつぶやきも目立っています。
今回の業績予想は上方修正されたものの、前年の同じ時期と比べると、実は55パーセントの最終減益という厳しい側面も持ち合わせています。この減益の主な原因は、アメリカ工場の売却に付随して発生した特別損失の計上です。特別損失とは、企業の通常の営業活動とは無関係に、その期だけに例外的に発生した特別な損失のことを指します。いわば一時的な「痛手」を被った形ですが、本業が順調であることは救いと言えるでしょう。
一方で、売上高については従来の見込みからさらに20億円が積み増され、前年同期比2パーセント増の930億円に達する見通しとなりました。さらに、2019年4月から2019年12月までの期間における連結決算を見てみると、純利益は前年同期比35パーセント減の37億円にとどまったものの、売上高は20パーセント増の675億円と大幅な伸びを記録しています。基盤となる事業そのものは、非常に力強く推移していることが窺えます。
次世代新幹線「N700S」の大量受注がもたらす明るい未来
これからの日本車両製造を語る上で、最も大きな好材料となっているのが、2019年11月にJR東海から獲得した新型新幹線「N700S」の製造受注です。その数なんと384両という大規模なもので、鉄道業界でも大きな話題となりました。この「N700S」とは、東海道新幹線などに導入される次世代の車両であり、安全性の向上はもちろんのこと、省エネルギー化や全席へのコンセント設置など、快適性が極限まで追求された最新鋭の車両です。
この新幹線の大量受注による利益は、今回の決算ではなく、2021年3月期以降の業績に大きく反映されていく予定となっています。編集部としての私見ですが、アメリカ事業からの撤退という大きな決断を経て、国内の得意分野である新幹線製造や好調な建設機械事業へとリソースを集中させた戦略は、非常に賢明だったと感じます。一時的な特別損失を乗り越えた同社は、今後さらなる飛躍を遂げるに違いないと、大いに期待しています。
コメント