大阪府堺市は2020年02月06日、新たな都市の未来を占う2020年度の予算案を公表しました。一般会計の総額は4293億円となっており、過去最高を記録した2019年度の当初予算と比べると0.6%の減少に転じています。今回の予算案は、2019年に就任した永藤英機市長が初めて自ら舵取りを行って編成した注目の内容です。特に目立つ方針として、これまでの独自の動きから一転し、大阪府や大阪市との結びつきをより強固にする姿勢が色濃く打ち出されています。
SNS上では、この大阪府・市との「ワン大阪」的な連携強化に対して、効率的な行政運営を期待する前向きな声が上がる一方で、堺市の独自性が薄れるのではないかと懸念する意見も見られます。さらに、大きな注目を集めているのが観光施策のアップデートです。堺市は、大阪府や大阪市、そして経済界が一体となって運営している「大阪観光局」へ新たに参画することを決めました。初年度の負担金として4000万円を計上し、強力な発信力を借りて海外での知名度向上を狙います。
具体的には、大阪市と堺市の魅力的な観光地をダイレクトに結ぶ「周遊バスツアー」の実証実験などが計画されており、エリア全体の回遊性を高める試みが始まります。実証実験とは、新しい仕組みを本格的に導入する前に、小規模で実際に試して課題を洗い出す検証プロセスのことです。世界文化遺産に登録された「百舌鳥古墳群」の周辺エリアでは、約3億8000万円を投じて観光客を迎える体制が整えられます。
特にユニークな試みとして、2020年08月を目安に、大山古墳(仁徳天皇陵)の近隣で民間企業によるガス気球の社会実験がスタートする予定です。1年間の期間をかけて、近隣にお住まいの方々への影響や、貴重な古墳群の景観・環境に与える変化などを慎重に調査していくといいます。SNSでは「気球から古墳の全貌を見てみたい」という期待の声が溢れる一方で、歴史的遺産の厳かな雰囲気が損なわれないか心配する声もあり、賛否を巻き込んだ話題となっています。
一方で、市民の生活に直結する子育て支援の分野にも、しっかりとスポットが当てられました。民間認定こども園の施設整備をバックアップするために約30億円という巨額の資金が充てられ、深刻な待機児童問題の解決へ向けて大きく前進する見込みです。また、地域の産業を盛り上げる施策としては、アクセスの良さを誇り、大阪府立大学もキャンパスを構える「中百舌鳥地区」をイノベーションの拠点として位置づけ、新しいビジネスを生み出す取り組みに注力します。
魅力的なビジョンが並ぶ今回の予算案ですが、足元の財務状況には見過ごせない課題も残されているでしょう。2020年度末における市債残高、つまり市の借金の残高は、13年連続で膨らむ見通しとなっています。魅力的な観光投資や子育て支援を継続していくためにも、今後はこの財政の健全化をいかに成し遂げるかが重要です。大阪全体での連携による経済効果をしっかりと市民の暮らしに還元できるか、新市長の手腕に大きな期待がかかります。
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