岡山県は2020年2月14日、総額7,464億5,700万円にのぼる2020年度の当初予算案を公表しました。前年度と比べて1.6%の増加となり、地域の活性化を目指す中期行動計画の総仕上げと、あの西日本豪雨災害からの復興をさらに加速させる強い意志が感じられる内容です。SNS上でも「被災された方々への支援が手厚くなるのは安心する」「地元の日本酒が海外で見つかるきっかけになってほしい」といった、期待に満ちた声が数多く寄せられています。
今回の予算案で特に注目したいのが、総額119億円が投入される豪雨災害への対策でしょう。被災された方々の住まいを確保するためのサポートや、地元の経済を支える中小企業への特別な融資といった金融支援が手厚く盛り込まれました。さらに、過去の災害を検証する第三者委員会の提言を反映し、川の氾濫リスクを下げるための河道内整備(かどうないせいび)など、5カ年の集中対策事業がスタートします。
ここで使われている河道内整備とは、川底に溜まった土砂を削ったり生い茂った樹木を伐採したりして、水が流れるスペースを広げる大切な工事を指します。災害を未然に防ぐ減災の取り組みは、住民の命を守る上で極めて重要な決断です。行政が過去の教訓を真摯に受け止め、具体的な行動に移す姿勢には大きな意義があると感じます。同時に、未来の命を守るためのインフラ投資には、私たち市民も常に高い関心を持つべきではないでしょうか。
一方で、岡山の魅力を世界へ発信する攻めの投資も忘れていません。県産の日本酒をブランド化し、国内外での知名度や販路を広げるための新しい事業に1,180万円が充てられます。さらに、訪日外国人であるインバウンドを呼び込むため、それぞれの国や地域に合わせたプロモーションを展開する予定です。レンタカーの利用料金を補助するユニークな施策のほか、岡山空港の民営化に向けた調査や基本構想の策定にも1,900万円が計上されました。
また、健康への配慮として受動喫煙対策も前進します。中小の飲食店を対象に、禁煙エリアを作るための改装費用を補助する予算として2,060万円が盛り込まれました。住民から集めた意見をもとに作られた防止条例案が、2月の定例議会へ提出される見通しです。タバコを吸う人も吸わない人も快適に過ごせる街づくりは、これからの観光地としても大きなアピールポイントになるに違いありません。
気になる財政の台所事情ですが、貯金にあたる「財政調整基金」から82億円を取り崩すため、残高が46億円まで減少する見込みとなっています。社会保障費の増加や県庁舎の耐震化といった避けられない出費が重なる一方、税収の伸び悩みが見込まれるため、今後も厳しいやりくりが予想される状況です。しかし、2020年度末の県債(県の借金)の残高は、前年度末より99億円減って1兆3,494億円になる見通しとなっています。
伊原木隆太知事は記者会見で、厳しい財政状況を認めつつも、教育の再生と産業振興、そして豪雨災害からの復興という「二正面作戦」を何としてもやり遂げたいと力強く抱負を語りました。財政の健全化を進めながらも、必要な場所へ大胆に予算を配分する今回の予算案からは、岡山の明るい未来を切り拓こうとする強い覚悟が伝わってきます。この試みが実を結び、地域全体がさらに輝きを増していくことを切に願ってやみません。
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