FRBの資金供給が株高を牽引?量的緩和に匹敵する44兆円規模の衝撃と国際金融への影響

アメリカの金融政策が、世界の投資家から熱い視線を集めています。米連邦準備理事会(FRB)による資金供給が急拡大しており、過去の量的緩和に匹敵する規模に達していることが判明しました。これを受けてSNS上では「実質的なQE4(量的緩和第4弾)が始まった」「株高の原動力はこれだったのか」といった驚きの声が相次いでいます。量的緩和とは、中央銀行が市場から国債などを買い入れ、世の中に流通するお金の量を増やして景気を刺激する強力な金融緩和策のことです。

FRBの総資産は、資金供給を開始する直前であった2019年09月中旬と比較すると、約半年で1割にあたる約4000億ドル、日本円にして約44兆円も増加しました。直近では4兆1000億ドル台後半にまで膨らんでいます。2020年02月06日の朝に行われた入札では、300億ドルの供給予定に対して約2倍の572億ドルもの応札が金融機関から殺到しました。この結果からも、現在の市場がいかにドル資金を貪欲に求めているかが浮き彫りになっています。

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レポ金利の急上昇が引き金に!FRBの思惑と市場のズレ

この異例とも言える巨額な資金供給の背景には、2019年09月に発生した「レポ市場」の混乱が存在します。レポ取引とは、国債などの有価証券を担保にして、超短期の資金を貸し借りする極めて重要な金融市場です。従来はアメリカの大手銀行がドルの主な貸し手でしたが、厳しい金融規制の影響によって資金を他行へ貸し出すリスクを避けるようになり、ドルの出し渋りが発生しました。その結果、ドルの貸借金利が急騰してしまったのです。

FRBのパウエル議長は、今回の措置について「金利を誘導するための技術的な対応であり、景気刺激を目的とした量的緩和ではない」と否定しています。しかし、金融市場の見方は全く異なります。資金の供給拡大とニューヨーク株式市場の上昇タイミングが見事に一致していることから、大手金融機関のクレディ・スイスなどは、これを事実上の「QE4」とみなしています。中央銀行の建前とは裏腹に、市場はこれを大歓迎しているのが現状です。

世界を揺るがすドルの命綱!新興国経済を守る防波堤

国際決済銀行(BIS)の報告によると、ヘッジファンドなどの資金調達が活発化しており、ドルの需給は世界中で逼迫しています。もし世界の基軸通貨であるドルの供給が滞れば、その影響はアメリカ国内だけに留まりません。2019年06月時点で、新興国が抱えるドル建ての債務は3兆7400億ドルにまで膨れ上がっています。多くの海外銀行がアメリカの短期金融市場を利用して、新興国企業への融資に必要なドルを調達しているのです。

仮にアメリカの短期市場が混乱すれば、通貨を交換する為替スワップ市場も麻痺し、世界的なドル不足を引き起こしかねません。インド準備銀行の元総裁であるラグラム・ラジャン氏も、経済が健全な国であっても企業が一瞬で資金難に陥るリスクを警告しています。国際通貨基金(IMF)も警戒を促す中、FRBによる資金供給は、世界経済の連鎖倒壊を防ぐための極めて重要な防波堤として機能していると言えるでしょう。

編集部EYE:緩和マネーが支える危うい安定と今後のリスク

筆者は、今回のFRBの動きを「市場のクラッシュを防ぐための不可避な延命策」であると評価します。確かに、この莫大な流動性の供給によって世界的な金融危機は回避され、株価も最高値圏を維持しています。しかし、これは実体経済の強さを反映したものではなく、中央銀行が供給したリクイディティ(流動性)によって作られた、やや歪んだ株高の側面を否定できません。依存度が高まるほど、出口戦略は難しくなるはずです。

FRBは2020年04月頃まで資金供給を継続し、その後は徐々にそのペースを緩めていく方針を示唆しています。ただし、金融規制の根本的な見直しが進まない限り、ドルの需給逼迫が再発する可能性は低くありません。もし再び金利の上昇圧惑が高まれば、FRBはさらなる資金供給を迫られるでしょう。私たちは、この「緩和マネーに支えられた安定」がいつまで続くのか、今後の金利動向を注視していく必要があります。

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