【金融緩和】日米欧中銀が陥る「出口なき緩和」の罠!低金利バブルが招く世界経済への警鐘と株高の真実

2020年01月14日現在、日米欧の中央銀行による大規模な金融緩和が、文字通り「引き返せない領域」へと突入しています。経済活性化や物価上昇への決定打が見いだせない一方で、ひとたび緩和の手を緩めれば市場に急ブレーキがかかるというジレンマに直面しているのです。

この現状に対し、SNS上では「株価が実態経済とかけ離れて上がっているのは不気味」「いつまで借金頼みの市場を続けるのか」といった、将来の破綻を懸念する声が多数上がっています。現状維持の誘惑と崩壊への恐怖の間で、世界経済は揺れ動いているのでしょう。

注目すべきは、金融緩和の度合いを示す3大中銀の資産規模が、2019年の秋以降に再び急膨張している点です。2019年末には、その総額がなんと約1600兆円という過去最大規模に達したとみられています。一度は縮小へと舵を切ったはずのマネーの供給量が、再び逆流を始めているのです。

本来、金融緩和とは金利を下げて世の中のお金の回りを良くする政策ですが、やりすぎれば財政規律が緩み、市場の自浄作用が失われます。現在の状況は、まさに薬の止め時を見失った深刻な副作用の現れと言えるでしょう。

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アメリカや日本が抱える「ショックへの脆弱性」

米国連邦準備理事会(FRB)の動きをみると、2019年末の短期金融市場に対して、越年資金として計2556億ドル(約28兆円)もの巨額資金を投入しました。これによりFRBの総資産は、わずか4カ月間で5000億ドル近くも急増する事態となっています。

市場では「量的緩和第4弾(QE4)の幕開けではないか」との指摘も飛び交うほどです。量的緩和とは、中央銀行が国債などを大量に買い入れることで、市場に大量の資金を直接流し込む強力な経済のカンフル剤を指します。

一方、日本銀行(日日銀)が継続しているETF(上場投資信託)の買い入れについても、激しい議論が巻き起こっています。ETFとは、日経平均株価などの指数に連動する投資信託のことで、日銀はこれを直接買い支えることで株価の下支えを行ってきました。

2016年07月に英国のEU離脱決定という危機に対応するため、日銀は買い入れ枠を年6兆円に倍増させました。国際的な大混乱が沈静化した今、元の3.3兆円に戻すべきだという正論があるものの、「市場への負の衝撃が大きすぎる」として減額に踏み切れないのが本音なのです。

経済の実力を超えた「低金利バブル」の危うさ

中央銀行がこれほど頑なに緩和に固執する背景には、ネット通販の普及などによる構造的な物価の低迷があります。日米欧はこぞって「前年比2%」の物価上昇を目標に掲げていますが、デジタル化が進む現代において、この目標達成は極めて困難だと言わざるを得ません。

しかし、目標に縛られた中銀の手札は金融緩和しか残されていないのが現実です。この歪みがもたらした結果が、2019年12月に最高値を更新したMSCI全世界株価指数に代表される、世界的な「実力以上の株高」なのです。

かつては株価が上がれば金利も連動して上昇するのが健全な市場の姿でした。ところが現在は、株価が上がっているにもかかわらず金利が下がり続けるという、極めて異常な「低金利バブル」の様相を呈しています。

私たちは、中央銀行が作り出した幻影の豊かさに酔いしれているだけかもしれません。金利の機能が麻痺した市場では、投資家の経験値が浅くなり、ひとたびショックが起きれば大混乱を招くリスクが潜んでいます。

FRBや欧州中央銀行(ECB)は、2020年前半にかけてようやく政策の見直しや枠組みの議論に着手する予定です。ただ、ひたすらお札を刷り続けるだけの思考停止の政策から脱却しなければ、変化の激しいデジタル経済のうねりに取り残されてしまうでしょう。

中央銀行は万能の神ではありません。今こそ金融政策の限界を素直に認め、過度な市場への介入を縮小していく勇気ある決断が求められていると考えます。

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