日本のインターネットショッピング界に、激震が走る大ニュースが飛び込んできました。公正取引委員会は2020年02月10日、通販サイト「楽天市場」を運営する楽天に対し、独占禁止法違反の容疑で立ち入り検査に踏み切ったのです。
今回の調査で問題視されたのは、楽天が打ち出した「共通の送料無料ライン」という方針になります。一定額以上を購入した利用者の送料を出店者に負担させるという計画に対し、国が事実上の「待った」をかけた形となり、今後の展開から目が離せません。
このニュースに対し、SNS上では「消費者としては一律で無料になるのはありがたい」「中小の出店者が潰れてしまっては意味がない」など、賛否両論の意見が巻き起こっています。立場によって見え方が変わるこの問題は、非常に根が深そうです。
送料無料化の裏に潜む出店者の苦悩
楽天は2019年12月、1店舗での購入額が税込み3980円以上の場合に送料を無料とする新ルールを通知しました。2020年03月18日からの開始を予定しており、楽天側は「購入のハードルを下げることで、結果的に店舗の売上増につながる」と主張しています。
しかし、この方針に対して現場のショップからは悲鳴が上がっているのが現状です。独自の送料設定で利益を保っていた小規模な店舗にとって、一方的なコスト負担の押し付けは、そのまま赤字へと直結しかねない死活問題と言えるでしょう。
さらに、楽天市場での売り上げに依存している店舗にとって、他サイトへの引っ越しは容易ではありません。こうした状況を受け、出店者らの任意団体である「楽天ユニオン」が2020年01月22日に公取委へ調査を求める事態に発展しました。
「優越的地位の乱用」とは何か?問われる巨頭の姿勢
ここで鍵となる専門用語が、独占禁止法が禁じる「優越的地位の乱用(ゆうえつてきちいのらんよう)」です。これは、取引において圧倒的に強い立場にある企業が、立場の弱いパートナーに対して不当に不利益を強いる行為を指します。
今回の立ち入り検査は、公取委が「このまま新ルールが導入されれば、出店者に回復不可能な不利益が生じる」と判断した異例のスピード対応でした。楽天側が自主的に改善しない場合、行政処分が下される可能性も十分に考えられます。
ECサイトの競争力を高めたい楽天の気持ちも理解できますが、プラットフォーマーとしての社会的責任を忘れてはなりません。出店者という大切なパートナーを犠牲にするようなビジネスモデルは、長続きしないのではないかと私は感じます。
米アマゾンとの熾烈なシェア争い
楽天がここまで強硬な姿勢を崩さない背景には、アメリカの巨人であるアマゾンとの激しい顧客獲得競争が存在します。アマゾンは自社で商品を仕入れて売るスタイルが多く、送料を自社負担にすることで「送料無料」のイメージを定着させました。
これに対抗するため、楽天は何が何でも分かりやすい送料無料制度を導入したいと考えている模様です。三木谷浩史会長兼社長も、出店者向けの説明会で「政府や公取委と対峙しようとも遂行する」と強い決意を語っていました。
利便性を求める消費者ファーストの視点と、出店者の権利を守るという公平性の視点、どちらも間違ってはいません。巨大IT企業への監視が世界的に強まる中、楽天がどのような着地点を見出すのか、今後も注視していく必要があるでしょう。
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