富山地方鉄道(富山市)が2019年(令和元年)5月28日に公表した2019年(平成31年)3月期の決算は、純利益が前期比でなんと75%減の9,900万円という厳しい結果となりました。これは、主要な交通インフラを担う地元企業としては、非常に大きな打撃であると言えるでしょう。この大幅な減益の主な要因は、子会社である加越能バス(富山県高岡市)が運営するスポーツ施設事業の不振です。この不振に伴い、資産の価値が低下したと見なされ、3億2,700万円という巨額の減損損失を計上せざるを得なかったことが響いたようです。
ここで出てきた減損損失というのは、企業が所有する固定資産、たとえば今回のケースではスポーツ施設の建物や設備などの価値が、事業の不振によって将来的に見込まれる収益よりも低くなったと判断された際に、その差額を損失として計上する会計処理のことを指します。簡単に言えば、「投資した施設から、当初期待していたほど収益が得られない」と認めて、その分を特別に損失として計上したということになります。これほど大きな金額の減損損失を計上したことは、子会社である加越能バスのスポーツ施設事業が、予想以上に厳しい状況に直面していたことを物語っています。
また、売上高にあたる営業収益も前期比4%減の118億円となりました。こちらは、グループ内の建設会社が手掛けていた工事の完成が、期をまたいで2020年(令和2年)3月期にずれ込んだことが影響したためだそうです。子会社が全体の業績に与える影響の大きさが浮き彫りになったと言えます。一方で、富山と名古屋や大阪を結ぶ高速バス事業や、地域住民の足となっている路面電車などの鉄道事業は、比較的堅調に推移しているとのことでした。
この決算結果は、地元の交通インフラを支える富山地方鉄道にとって、事業構造の再構築の必要性を強く突きつけるものだと考えます。SNSでは、「地鉄頑張れ」「地元のバス会社の不振は心配」といった、地域住民からのエールや懸念の声も寄せられています。本業である交通事業が堅調であることは心強い材料ですが、子会社が抱えるノンコア事業(本来の事業ではない分野)でのリスクをどのように管理し、経営資源を集中させるかが、今後の富山地方鉄道の大きな課題となるでしょう。地域の信頼に応えるためにも、経営の改善策に期待したいところです。
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