【地域活性化の秘策】北洋銀・北大発の電子地域通貨「Do」が描く未来!

北海道の地域経済を活性化させる新しい試みが、産学官連携のもとでスタートしました。北洋銀行や北海道大学(北大)、リコーなどで構成される研究会が、電子地域通貨**「Do(ドゥ)」の普及を目指し、異色の実証実験に乗り出しました。この取り組みは、地域通貨をフックに、少子高齢化の進行による消費の低迷といった社会的な課題の解決を図るものとして注目を集めています。

その舞台となったのは、札幌市で2019年6月8日と9日に開催された北海道大学の学園祭「北大祭」です。大学内を一つの「地域」と見立て、来場者のスマートフォンと専用アプリを用いた電子決済を組み合わせた流通を試験的にシミュレーションするという、非常に珍しい試みとなりました。この「Do」は、専用アプリをダウンロードするだけで使えるようになり、協力団体が運営する企画店での商品購入や、アンケートへの回答などによって一定額が来場者に付与される仕組みです。貯めた「Do」は、農作物などの返礼品と交換できるほか、セグウェイ試乗会といった限定企画への参加券としても利用できました。

実は、地域通貨というものは、1990年代頃から全国各地で相次いで創設されてきましたが、多くは紙幣として発行されており、その管理にかかる手間やコストが普及の大きなネックとなっていました。しかし、今回流通する「Do」は、専用アプリ上でQRコードを表示し、それを読み取るだけで取引が完了する電子決済を採用しているため、参加者が気軽に利用でき、導入する側のコスト負担も小さく抑えられるのが大きなメリットと言えるでしょう。

このプロジェクトを主導する研究会は、地域通貨の国際的な権威である西部忠・北大名誉教授も参加し、2019年2月に設立されました。事務局はカード決済処理システム開発のジィ・シィ企画(千葉県佐倉市)が担っています。彼らの目標は、今回の実験を通じて地域通貨が抱える課題を洗い出し、ゆくゆくは北大祭といった限定的な場だけでなく、実際の消費の現場での活用へとつなげていくことです。コミュニティ通貨実証実験チームの金井一真代表は、「コミュニティ内でのやりとりの活性化につながる」と、その効果に期待を寄せているようです。

「Do」は、投機目的での利用を防ぐため、日本円などの法定通貨**への換金が禁止されています。これは普及にはマイナス要素と捉えられがちですが、使える地域が限られるという特性が、結果として地域内での通貨の循環を促すという利点につながるのです。SNSでは「地域のお金が地域で回る仕組みはいい」「電子決済なら手間が少なくて使いやすそう」といった、取り組みの方向性を評価するポジティブな反響が多く見られました。一方で、「スマホを持ってない人はどうなるのか?」「円に換えられないと本当に広がるのか?」といった、現実的な懸念を示す声も上がっており、今後の課題として意識されているようです。

スポンサーリンク

地域活性化への波及効果と今後の課題

地域通貨は、その域内での消費活性化につながる大きな可能性を秘めています。その一例として、道内初の野球独立リーグである北海道ベースボールリーグ(富良野市)も、「Do」の導入を検討しています。選手の給与は原則無給とされていますが、こうした地域通貨を利用して選手の衣食住を賄うことが目標です。選手が受け取った地域通貨を地元で消費することで、地域経済の活性化に貢献するという好循環を生み出す狙いがあるのです。

今回の北大祭での実証実験では、流通経路のデータを集計し、イグ・ノーベル賞を2度受賞した中垣俊之・北大教授ら研究会メンバーの研究にも活用されます。イグ・ノーベル賞とは、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して贈られるユニークな賞で、中垣教授らが持つユーモアと知的好奇心に溢れた視点が、通貨の流通メカニズムの解明に活かされることは大変興味深いと言えるでしょう。

しかし、過去には全国各地で補助金に頼る制度設計が目立ち、広く流通しなかった地域通貨も少なくありませんでした。「Do」の普及にも、スマホ非所持者への対応や、法定通貨との互換性の検証といった、クリアすべきハードルが多く残されています。まずは、今回の地域を限定した短期的な実験によって課題を徹底的に洗い出し、その知見を他地域での普及へと繋げ、着実に「Do」が活躍できる道筋をつけられるかに注目が集まっています。

私見ではありますが、地域通貨の成功には、今回の電子決済という利便性の向上だけでなく、「限定的なコミュニティでのみ使える」という付加価値を、利用者がポジティブに捉えられるような仕掛けが重要だと考えます。単なる決済手段ではなく、「地域愛の証」や「特別な体験へのパスポート」といった位置づけを強めることが、持続的な普及の鍵となるのではないでしょうか。今回の北大発の「Do」が、日本の地域通貨の未来を切り開くモデルケースとなることを期待したいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました