🎨アートが秋田の未来を拓く! 秋田公立美術大学発の地域創生プロジェクトと若者呼び込みの秘訣

人口減少と高齢化が国内で最も速いペースで進んでいる秋田県で、地域の活性化に向けたアートの力に注目が集まっています。その牽引役となっているのが、秋田公立美術大学(秋田市)です。同大学では、教員と学生が一丸となり、授業の一環として地域の課題解決に積極的に取り組み、産学官の連携による新しい地域貢献の形を生み出し始めています。

大学の取り組みの一つが、JR秋田駅の大規模改修プロジェクトです。秋田新幹線「こまち」を降りて改札口を出た乗客がまず目にするのは、温かみのある木に囲まれた空間でしょう。東西自由通路「ぽぽろ~ど」には、全長80メートル以上にわたり、秋田の豊かな資源である秋田杉が壁面に配置されています。また、待合室には秋田杉をはじめとした県産材で作られた椅子やテーブルが置かれ、出張客や学生はもちろん、近隣の高齢者までもがくつろぐ、まさに「人が集まる空間」へと見事に生まれ変わりました。

この変化の背景には、2013年の開学と同時に秋田に赴任した小杉栄次郎教授らの熱意ある働きかけと監修がありました。かつて**「車ばかりで人がいなくて駅前がさみしい」と感じていた小杉教授は、人を呼び込む方法を学生たちと共に模索し、イメージ図を作成。JR東日本秋田支社や秋田市に提案したのです。当初は自由通路に木の家具を置くことに対し、「誰かがケガをしたらどう責任を取るんだ」と安全面から難色を示す声もありましたが、「苦情が出たらすぐに引っ込める」という実験的な試みとして開始。その結果、乗客や市民が思い思いにくつろぐ姿が定着し、2017年4月の大規模改修で秋田杉をふんだんに用いる現在の姿へと結実しました。

藤浩志教授は、秋田が東京や仙台などの大都市と比べて「コンテンツを持ち込みやすく、にぎわいを作りやすい」環境であると強調しています。大都市圏では収益を上げられる空間が優先されがちですが、秋田には空き店舗や空き家、駅の通路など、若い学生が学ぶ場として活用できる「スペースに余裕」があり、新しい試みを受け入れる余地が大きいという点が魅力的なのでしょう。このような環境は、現代の若者が持つ斬新なアイデアや感性を活かす上で、非常に大きなアドバンテージになると考えられます。

その実例として挙げられるのが、上小阿仁村を舞台にしたアート作品の展示プロジェクト「かみこあにプロジェクト」です。2012年にスタートしたこの企画では、村内の棚田や廃校などを活用して数多くの作品が展示されています。作家やボランティアとして参加した学生たちと村民との間に強いつながりが生まれ、プロジェクトの継続に不可欠なものとなっています。この取り組みは、アート好きの若者を地域に呼び込む原動力となっており、SNS上でも「アートと自然の融合が美しい」「学生と村人の交流が素敵」といった好意的な反響が見られ、過疎地域での成功例として注目を集めているようです。

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産学官連携の要:NPO法人「アーツセンターあきた」の役割

こうした多岐にわたる産学官連携の取り組みを統括しているのが、大学が設立したNPO法人「アーツセンターあきた」です。この法人は、従来の大学の社会貢献センターを改組し、2018年4月から活動を開始しました。発足した2018年度だけでも、地元企業などから100件以上の相談が寄せられるなど、地域からの期待の大きさが伺えます。

たとえば、旧秋田県立美術館を秋田市が譲り受け、2020年秋に改修オープンが予定されている「秋田市文化創造交流館」(仮称)のコンセプトづくりでは、このNPO法人が窓口となり、市民参加のワークショップを開催しています。ワークショップとは、参加者が主体となって話し合いや作業を行い、共同で何かを作り上げたり、課題を解決したりする活動のことを指します。市民の意見を直接取り入れながら文化施設の核となる理念を練り上げるという手法は、まさに地域に根差した新しい文化創造の形と言えるでしょう。

霜鳥秋則学長は、これらの取り組みについて「我々の試みは従来の美大になかった試み」だと強い自負を表明されています。理事長を兼務する藤教授も、2019年6月6日時点で「NPO発足から1年余り」としつつ、「若者が次の価値観を作って、街にどう浸透させていくかはこれからだ」と語っており、未来への期待と決意が感じられます。私は、この秋田公立美術大学の挑戦こそが、全国の地方創生を志す地域にとっての画期的なモデルケース**になると確信しています。アートやデザインといったクリエイティブな力が、地域の持つ潜在的な魅力を引き出し、若者の流入と新しいにぎわいを生む起爆剤となる可能性を秘めているのではないでしょうか。

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