IHI株が急落し3年4カ月ぶりの安値を更新!赤字転落の背景と今後の業績予想、投資家が注目すべき下振れリスクを徹底解説

2019年08月08日の東京株式市場において、総合重工業大手であるIHIの株価が激しく揺れ動きました。一時は前日比で14%も安い1,992円まで売り込まれ、約3年4カ月ぶりとなる低水準を記録しています。前日に発表された2019年04月01日から2019年06月30日までの連結決算内容が、27億円の最終赤字に転落したことが投資家たちに強い衝撃を与えたようです。

今回の赤字の背景には、同社の主力事業を襲った「三重苦」とも言える厳しい状況が存在します。まず深刻なのが、火力発電所向けボイラー事業でのつまずきでしょう。設備の不具合への対応や、遅延した工期を取り戻すための追加費用が膨らみ、利益を大きく圧迫しました。SNS上では「インフラを支える大手の不具合は影響が大きすぎる」といった、品質管理を懸念する声が相次いでいます。

次に、自動車市場の冷え込みも無視できません。特に世界最大規模を誇る中国市場の低迷が、IHIの強みである自動車用ターボチャージャー(排気を利用してエンジンに空気を送り込み出力を高める過給機)の販売に影を落としました。さらに、2019年03月に発覚した航空機エンジンの検査不正問題も尾を引いており、整備工場の稼働停止に伴う部品需要の減少が追い打ちをかけている格好です。

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通期目標の据え置きは現実的か?揺れる市場の評価と投資判断のポイント

このような厳しい船出となった2020年03月期の業績ですが、IHI側は通期の純利益予想を前期比12%減の350億円とする計画を今のところ変更していません。会社側は固定費の徹底的な削減などで、第1四半期の遅れを十分に取り戻せると強気な姿勢を見せています。しかし、専門家の間ではこの見通しに対して懐疑的な見方が強く、機関投資家の売りを加速させる要因となりました。

JPモルガン証券の佐野友彦氏も、現在の事業環境を鑑みると通期計画の達成は容易ではないと警鐘を鳴らしています。投資家が企業の収益力を判断する指標であるPER(株価収益率)は、東証1部の平均が13倍台であるのに対し、現在のIHIは8倍台にまで低下しました。数値だけを見れば割安に感じられますが、業績回復の道筋が見えない限りは、安易な買いは控えるべきだという慎重論が根強く漂っています。

編集部としては、今回の急落は単なる一時的な業績悪化への反応ではなく、企業の信頼回復という大きな課題を突きつけられた結果だと感じます。検査不正というコンプライアンス上の問題に加え、外部環境の変化に左右されやすい事業構造は、投資家にとって大きなリスクに映るでしょう。まずは、自力でコントロール可能な製造現場の立て直しと、中国市場の動向を見極める冷静な視点が、私たち投資者にも求められているのではないでしょうか。

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