🎁中元ギフトの新潮流!EC強化と「ご褒美消費」で変わる百貨店の生き残り戦略【2019年最新】

2019年の中元商戦は、夏の贈り物の習慣が変化している中で、百貨店各社が新たな戦略を打ち出している状況です。そもそも「中元」とは、日頃お世話になっている方へ感謝の気持ちを込めて贈る季節の挨拶の品で、日本の大切な贈答文化のひとつですが、近年ではこの習慣を持つ人が年々減っている傾向が鮮明になっています。たとえば、東日本リサーチセンターが2018年に仙台市民1,000人を対象に行った調査では、「中元を贈った」と回答した人が38.3%に留まり、これは前年に次いで過去2番目に低い割合となりました。このデータからは、形式的な贈答よりも、よりパーソナルな関係性やライフスタイルを重視する社会の潮流が見て取れるのではないでしょうか。

このような贈る人の減少という課題に対し、百貨店は電子商取引(EC)の強化を急ピッチで進めています。ECとは「Electronic Commerce」の略で、インターネットを通じて商品を売買する取引形態を指す専門用語です。店舗に足を運ぶ時間がない忙しい若い世代や、遠方に住む消費者にとって、オンラインでの購入は非常に利便性が高い方法であります。具体的には、仙台三越(仙台市)ではオンラインストアで購入した場合に一部商品の送料が無料になるという特典を設けるなど、デジタルを活用して顧客接点を拡大する取り組みを行っていると言えるでしょう。

一方で、お中元を贈る人が減るのと対照的に、自分自身へのご褒美として商品を購入する「自家需要」が増加しているのが、今年の商戦の大きな特徴です。これは、日頃の頑張りへのねぎらいや、ちょっとした贅沢を楽しみたいという消費者の心理を反映しているものと思われます。たとえば、さくら野百貨店青森店(青森市)では、自宅で楽しむための菓子の需要が高まっていることに着目し、品揃えを大幅に拡充しました。注目すべきは、2019年4月に惜しまれながら閉店した中三青森店(青森市)が取り扱っていた「菓匠 清閑院」などの有名菓子メーカーの商品を引き継いでいる点であり、これは地域の顧客のニーズに応え、かつて中三を利用していた消費者を取り込む非常に戦略的な動きであると考えられます。

SNS上での反響を見ても、「形だけの付き合いは不要」「お中元は義務感があって面倒」といった声が聞かれる一方で、「美味しいものや珍しいものが欲しいから、自分へのご褒美として中元時期に百貨店を利用するのはアリ」という意見も目立ち、まさに百貨店が着目する自家需要の増加を裏付けている様子です。企業間の儀礼的な贈答はコンプライアンスの観点からも見直されつつあり、「虚礼廃止」の動きが加速しています。このような背景から、私は、中元は「感謝を伝えるため」の贈り物から、「生活を豊かにするため」の消費へと変化していると捉えるべきだと考えます。百貨店は単に商品を並べるだけでなく、顧客のライフスタイルに寄り添った新しい価値、つまり「特別な時間」や「心の満足」を提供する場へと進化していく必要があるでしょう。

今後、百貨店が生き残るためには、伝統的な贈答文化を守りつつも、ECの利便性と「自分へのご褒美」という新しい消費のモチベーションを巧みに融合させた戦略が不可欠です。地域に根差した商品の品揃えを充実させ、オンラインと店舗を連携させることで、多様化する消費者ニーズに応えていくことが成功の鍵となるのではないでしょうか。

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