メキシコ北部の都市モンテレイにて2019年10月21日、日本製鉄の橋本英二社長が日本経済新聞などの取材に応じ、世界の鉄鋼業界が直面する深刻な課題について熱く語りました。世界鉄鋼協会の年次総会に出席した橋本氏は、中国による異例の増産体制や新規設備への巨額投資に対し、強い危機感を露わにしています。このニュースに対し、SNS上では「日本の基幹産業が正念場を迎えている」「中国の供給過剰は市場を壊しかねない」といった、今後の動向を注視する声が数多く寄せられました。
橋本社長が最も懸念しているのは、鉄鋼の「過剰生産能力」の問題です。これは、市場が求めている量以上に鉄を生産できる設備が存在し、価格の暴落を招く状態を指します。彼は、2020年の世界的な鉄鋼需要は2019年と比較してほぼ横ばいになると分析しました。特に中国の自動車産業をはじめとする製造業の停滞が、周辺諸国にも暗い影を落としていると指摘します。国際的な枠組みである「グローバル・フォーラム」を通じ、粘り強く能力削減の議論を継続すべきだと強調しました。
鉄鋼業界を巡る環境は厳しさを増しており、橋本社長は2019年度を「過去最も過酷な時期」と位置づけています。この苦境を打破するため、同社は生産拠点の集約や徹底したコストカットを行い、競争力を底上げする方針を打ち出しました。一方で、将来の成長エンジンとして中東、アフリカ、そしてインドを重要視しています。特にインドの大手、エッサール・スチールの買収計画については、当初の予定通り推移していることを明言し、グローバル市場への攻めの姿勢を崩していません。
「つくる力」の再生が急務!日本製鉄が目指す付加価値戦略の行方
編集者の視点から見れば、現在の日本製鉄に求められているのは、単に安価な鉄を大量に売るモデルからの脱却です。同社は高い技術力を活かした「ハイテン材(高張力鋼板)」などの付加価値の高い製品に特化する戦略を急いでいますが、相次ぐ工場のトラブルや自然災害による減産が大きな足枷となっています。経営陣が描く「量から質」への転換を実現するためには、まずは足元の生産体制を盤石なものにし、供給責任を果たす「つくる力」の早期回復が不可欠であると感じざるを得ません。
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