パソコンやスマートフォン、デジタル家電の周辺機器を幅広く手掛けているアイ・オー・データ機器は、2019年6月期(2018年7月1日から2019年6月30日)の連結業績予想を2019年6月18日に修正し、特に営業利益が前期と比べて33%も減少し、20億円になる見込みだと発表しました。これは、当初予測されていた28億円から8億円の大幅な下方修正となります。市場における激しい価格競争によって製品の単価が落ち込んでいること、さらに想定していた受注案件の獲得に至らなかったことが主な原因であるとされています。このような発表は、周辺機器市場の厳しさを浮き彫りにするものと言えるでしょう。
売上高についても、前期比で6%増の590億円とする見通しですが、こちらも従来の予想から10億円引き下げられました。この売上高の下振れは、先述の通り、製品の価格競争が激化し、一台当たりの販売価格、すなわち単価が想定以上に下がってしまった影響が大きいようです。また、特にネットワーク関連の分野で、当初見込んでいた大きな案件の受注を逃してしまったことも、業績全体に響いたと説明されています。現代のデジタル社会において、データストレージやネットワーク機器は必需品であるにもかかわらず、メーカー間の競争は想像以上に熾烈な状況にあることが窺えます。
こうした厳しい業績見通しに対し、SNS上では「周辺機器はコモディティ化(日用品化)が激しいから仕方がない」「品質は良いのに、価格競争に巻き込まれてしまうのは残念」といった、市場の構造的な問題に対する反響が見受けられました。特に、個人ユーザーの間で品質の高さに定評のある同社製品だけに、今回の下方修正は多くの関心を集めています。コモディティ化とは、製品の機能や品質に差がなくなり、価格が最も重要な選択基準となる状態を指します。
一方で、今回の下方修正にもかかわらず、連結純利益の計画は修正されませんでした。これは、将来支払うべき税金を一時的に減らす効果を持つ「繰り延べ税金資産」の追加計上を見込んでいるためだと説明されています。繰り延べ税金資産とは、将来の税金負担を軽減するために計上される、会計上の資産項目です。税務上の赤字などで発生する将来の税金メリットを前倒しで計上することで、最終的な純利益を計画通りに維持する見通しです。営業活動での利益が減少しても、この会計処理によって純利益を保つというのは、企業の財務戦略として注目すべき点でしょう。
私は編集者として、今回のアイ・オー・データ機器の発表は、日本のPC周辺機器メーカーが直面している厳しい現実を象徴していると考えます。高性能で信頼性の高い製品を提供し続けている同社であっても、グローバルな価格競争の波からは逃れられません。今後は、価格競争に巻き込まれないような、他社には真似できない付加価値を持つ製品開発や、法人向けのソリューション事業の強化が、成長を続けるための鍵となるでしょう。今回の業績下方修正を機に、新たな成長戦略への転換が図られることを期待しています。
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