百貨店業界に、新しい風が吹き抜けています。東京・池袋のランドマークである東武百貨店は、2020年の幕開けとともに大規模な営業時間短縮に踏み切ることを決定しました。対象となるのは池袋本店と船橋店の2拠点で、特に船橋店では通常営業時間の見直しも含まれています。
具体的なスケジュールを見ていきましょう。2020年01月02日と2020年01月03日の2日間、両店舗では閉店時間を2019年時よりも1時間繰り上げます。なお、2020年01月01日の元日は、2019年と同様に全館休業を維持し、従業員が家族と過ごす時間を確保する方針です。
SNS上ではこの発表に対し、「店員さんもお正月はゆっくりすべき」「営業時間が短くなっても、その分日中の接客が丁寧になるなら歓迎したい」といった、働き方改革を後押しするポジティブな声が目立っています。時代の変化に合わせた百貨店の決断を、多くの消費者が支持しているようです。
船橋店では日常の営業スタイルも刷新
さらに踏み込んだ改革を行うのが千葉県の船橋店です。2020年02月20日から、地下1階と1階の食品・化粧品フロアを除いた全階で、営業時間を1時間から2時間程度短縮します。これは仕事帰りのニーズが高いフロアを守りつつ、他フロアの効率化を図る戦略的な判断と言えるでしょう。
ここで注目すべきは、単なる労働削減ではなく「業務の集約」を目的に据えている点です。従業員の拘束時間を減らすことで、お客様が最も多く来店される「ピークタイム」に全エネルギーを注げる体制を整えます。これは接客の質を高めるための、ポジティブな戦略転換なのです。
近年注目されている「働き方改革」とは、単に労働を減らすことではなく、労働環境を整えて生産性を高める概念を指します。百貨店というホスピタリティが求められる現場において、スタッフの心身のゆとりは、巡り巡ってお客さまへの笑顔や上質なサービスとして還元されるはずです。
編集者としての私見ですが、24時間365日の便利さを追求した時代は終わり、これからは「持続可能な豊かさ」が価値を持つでしょう。東武百貨店の試みは、小売業が直面する人手不足解消の鍵となるだけでなく、私たちの消費スタイルそのものを再考させる重要な一歩だと確信しています。
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