2019年10月01日の消費増税から約2ヶ月が経過しましたが、当時の消費行動を分析すると非常に興味深い傾向が浮き彫りになりました。フランスのインターネット広告大手であるクリテオが、2019年10月に18歳以上の男女1584人を対象に実施したアンケート調査によると、今回の増税前に「前倒しで買い物を済ませた」と回答した人は、全世代平均で53%に達しています。
特に注目すべきは、デジタルネイティブである若年層の動きです。18歳から24歳の層では、なんと65%もの人が増税前に買いだめを行ったと回答しました。これに続く25歳から38歳の層も58%と高い数値を示しており、若ければ若いほど税率の変動に対して敏感に反応し、家計を守るためのアクションを素早く起こしていたことが判明したのです。
SNS上では、この結果に対して「意外と若者がしっかりしている」「将来への不安があるから、1%、2%の差でも見逃せないのは当然」といった声が目立っています。かつての「若者の物離れ」というイメージを覆すような、彼らの堅実で戦略的な消費スタイルが、データからもはっきりと証明された形と言えるでしょう。
何を買った?ヒット商品は日用品と「ついで買い」の食料品
実際にどのような品目が購入されたのかを紐解くと、生活に直結するアイテムが上位を占めています。最も多かったのは、44%を記録した「日用品やベビー用品」でした。おむつや洗剤などは、生活に欠かせない消耗品であり、保存も効くため、増税前の備えとしては非常に合理的な選択だったと推測されます。
興味深いのは、35%の人が購入したと答えた「食料品」の存在です。実は今回の増税には「軽減税率」という制度が導入されています。これは特定の品目(主に飲食料品や新聞)の税率を8%に据え置く仕組みのことですが、対象品目であるはずの食料品も、日用品の購入に合わせて「ついでに」前倒しで買われる傾向があったようです。
この「ついで買い」現象について、私は日本人の心理的な安心感が影響していると考えています。制度が複雑であればあるほど、消費者は「今のうちに買っておけば間違いない」という防衛本能を働かせます。単なる金銭的な損得勘定を超えて、増税という大きな変化に対する心の準備として、買い物が行われた側面があるのではないでしょうか。
一方で、購入金額に目を向けると、ベビー用品では68%、食料品では57%の人が「1万円以下」に収めています。さらに、回答者の65%が「不要な買い物はしたくない」という強い意志を持っていることも分かりました。無闇に高額商品を買い漁るのではなく、必要なものを必要な分だけ安いうちに揃える、現代人の冷静な判断力が光っています。
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