2019年12月10日に経済産業省が発表した「特定サービス産業動態統計速報」によると、2019年10月のクレジットカード取扱高は5兆4059億円に達しました。前年同月と比較すると8.2%のプラスを維持していますが、驚異的な伸びを見せた前月と比較すると、その勢いには落ち着きが見え始めています。
実は、消費増税直前となる2019年9月には、駆け込み需要の恩恵を受けて19.0%増という目覚ましい数字を記録していました。しかし、増税後の10月に入るとその反動が如実に現れています。特定サービス産業動態統計とは、特定のサービス業の売上などを調査して景気の動きを把握する指標ですが、今回の結果は消費者の慎重な姿勢を如実に物語っているでしょう。
今回の税率引き上げは2%でしたが、3%の引き上げが行われた2014年4月時と比較しても、クレジットカードの伸び率の鈍化幅は同程度の規模となっています。SNS上では「ポイント還元があるからカードを使うけれど、買い物自体は控えている」といった声や、「増税前に高い買い物を済ませてしまったので今は財布の紐が固い」というリアルな反応が目立ちます。
政府は現在、キャッシュレス決済を推奨するポイント還元事業を大々的に展開しています。これにより、現金からカード決済への移行という構造的な変化は着実に進んでいるはずです。しかし、増税による心理的な冷え込みや、生活防衛意識の高まりが、決済総額の押し上げを阻んでいる側面は否定できないのではないでしょうか。
私個人の見解としては、単なる決済手段のデジタル化に留まらず、今後は消費そのものをどう活性化させるかが鍵になると考えています。ポイント還元という「アメ」による一時的な刺激が終わった後、いかに日常的な利便性を高め、価値あるサービスを提供し続けられるかが、カード業界の真の正念場となるはずです。
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