中村哲さん告別式に1300人が参列、アフガン支援の灯を消さない。命を捧げた「緑の大地」への遺志を継ぐ

アフガニスタンで長年にわたり人道支援に尽力し、凶弾に倒れた医師、中村哲さんの葬儀が2019年12月11日に福岡市内で執り行われました。会場には約1300人もの参列者が集まり、国境を越えて愛された偉大な背中に最後の別れを告げています。会場周辺は悲しみに包まれ、SNS上でも「これほどまでに無私無欲で活動した日本人がいたことを誇りに思う」といった、その功績を称え冥福を祈る声が絶えません。

式典には、2008年に現地で命を落としたペシャワール会職員、伊藤和也さんの父・正之さんの姿もありました。最愛の息子に続き、活動の精神的支柱であった中村さんまでもが犠牲となった現実に、正之さんは激しい憤りを隠せません。「なぜまた繰り返されるのか」という言葉には、癒えることのない悲しみと理不尽な暴力への怒りが滲んでいます。平和を願い続けた人々がなぜ標的になるのか、その問いは私たちの胸に深く突き刺さります。

正之さんは、息子の死をきっかけに設立された基金を通じ、中村さんと連携してアフガンの復興を支えてきました。支援の在り方を巡り、幾度も対話を重ねてきた絆は非常に強固なものです。正之さんは、これまでの歩みを決して無駄にはさせないと決意を語りました。今後もペシャワール会との協力を継続し、現地の人々が自立できる環境を守り抜く姿勢は、悲劇を乗り越えようとする力強い意志を感じさせ、深い感動を呼び起こします。

アフガニスタン出身の医師、レシャード・カレッドさんは、中村さんの活動が現地の人々の心にどれほど深く根付いていたかを強調しました。彼は「アフガン人以上にアフガンを愛し、寄り添ってくれた」と評し、自国の情勢によって尊い命が失われたことへの申し訳なさを吐露しています。また、60年来の友人である牧師の藤井健児さんも、少年のように優しかった中村さんの面影を追っていました。今にもその穏やかな声が聞こえてきそうだと語る姿が、喪失感の大きさを物語っています。

私は、中村さんが遺した「用水路建設」という具体的な救済策こそが、真の平和構築だと考えます。言葉だけでなく、飢えを凌ぐための大地を耕す術を授けた彼の信念は、政治的な対立を超越したものでした。このような尊い活動が暴力によって遮られることはあってはなりません。彼が耕した緑の大地が枯れることなく、次世代へ引き継がれるよう、私たちも関心を持ち続けるべきではないでしょうか。彼の死を悲しむだけでなく、その志を支える一歩を踏み出す時が来ています。

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