2019年12月07日、日本の金融市場では企業の攻めの財務戦略が次々と明らかになっています。特に注目を集めているのが、環境問題への取り組みを資金調達につなげる「グリーンボンド」の広がりです。清水建設は2019年12月12日を払込日として、100億円規模の環境債を発行することを決定しました。これは、持続可能な社会の実現に向けた投資家の強い期待を反映しているといえるでしょう。
SNS上では、こうした企業の姿勢に対して「SDGsへの具体的なアクションが見える」と好意的な意見が目立つ一方で、超低金利時代における運用先の確保として注目する投資家の声も散見されます。利回りは0.110%と控えめですが、企業の社会的責任を重視する現代のトレンドを象徴する動きです。こうした資金がどのように具体的な建設現場の環境対策に活用されるのか、今後の展開から目が離せません。
ハイブリッド証券の活用と大手企業の決算概況
今回の財務短信で際立っているのは、住友化学による合計2500億円という巨額の「劣後特約付社債」の発行計画です。この劣後債とは、万が一の破綻時に弁済順位が普通社債より低くなる代わりに、利回りが高く設定され、格付機関から資本としての性質を一部認められる特殊な債券を指します。2019年12月13日に払い込まれるこの資金は、財務の健全性を維持しつつ大型投資を支える、同社の戦略的な意図が感じられます。
また、同日の決算発表では積水ハウスの好調ぶりが鮮明となりました。2019年2月から10月期の累計決算において、売上高は1兆7352億円に達し、前年同期の1兆4881億円から大幅に伸長しています。利益面でも1174億円を確保しており、1株利益も170.9円と力強い数字を叩き出しました。消費増税前の駆け込み需要を確実に取り込んだ形となり、住宅市場の底堅さを証明する内容となっています。
一方で、IT・ゲーム関連では明暗が分かれました。AI関連で期待を集めるHEROZは、2020年01月31日付で1株を2株にする株式分割を発表し、投資家層の拡大を狙っています。対照的に、ユークスは売上高こそ伸ばしたものの、1億7900万円の経常赤字に転落しました。エンターテインメント業界の競争激化が、数字として如実に表れた結果といえるでしょう。編集者としては、こうした個別の財務状況が来年の株価にどう波及するか注視したいところです。
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