2019年12月30日現在、私たちの生活に欠かせない存在となった「GAFA」への風当たりが、世界規模で急速に強まっています。グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの4社を指すこの言葉は、今やデジタル時代の覇者を象徴する代名詞となりました。彼らは検索エンジンやSNS、ネット通販といったプラットフォームを通じて、国境を越えた膨大な利用者を獲得し、比類なき経済圏を築き上げています。
しかし、その強大すぎる力が国家の枠組みを脅かし始めており、各国政府は「個人情報保護」や「デジタル課税」という強力な武器を手に、規制の網を広げている最中です。SNS上では「便利さと引き換えにプライバシーを売り渡しているのではないか」といった不安の声や、「適正な納税を避けている」という批判が相次いでおり、市民の間でもこれまでの「IT企業の自由」に対する疑問が噴出しています。
巨大経済圏の光と影!情報流出が招いた信頼の失墜
GAFAの強さの源泉は、サービスを通じて吸い上げられる膨大な利用データにあります。例えばフェイスブックの月間アクティブ利用者数は、2018年12月末時点で世界全体で23億2000万人に達しました。これは一国の人口を遥かに凌ぐ規模であり、彼らが提供する広告やクラウドサービスは、現代社会のインフラそのものと言えるでしょう。しかし、その利便性の裏側で、情報の扱いを巡る深刻な事態も発生しています。
記憶に新しいのは、2018年3月に発覚したフェイスブックによる最大8700万人分の個人情報不正流用事件です。この事態を重く見た米連邦取引委員会(FTC)は、同社に対して過去最大となる約50億ドル、日本円にして約5400億円もの巨額の制裁金を科す決定を下しました。こうした情報の私物化やずさんな管理体制が露呈したことで、ネット上では「データの独占は民主主義を壊す」といった厳しい意見も目立つようになっています。
EUが主導する厳格なルール「GDPR」と独占禁止法への抵触
GAFAへの監視を強める急先鋒となっているのが欧州連合(EU)です。EUは2018年5月25日に「一般データ保護規則(GDPR)」を施行しました。これは、企業に対して個人情報の厳格な管理を義務付け、利用者が自分のデータの開示や削除を求める権利を保障する画期的な法律です。もし違反すれば、企業の全世界売上高の最大4%という、想像を絶する罰金が科される可能性があり、IT大手の振る舞いを是正する大きな抑止力となっています。
さらに、市場の公正な競争を妨げる行為にも厳しいメスが入っています。グーグルはインターネット広告事業において、EU競争法(日本で言う独占禁止法)に違反したとして、約14億9000万ユーロの制裁金支払いを命じられました。一つの企業が市場を支配しすぎる「プラットフォーマー」の弊害に対し、公的な規制が実効性を持ち始めているのです。今後はデジタル通貨など、金融分野への進出も狙うGAFAですが、国家の通貨主権を守ろうとする中央銀行との対立は避けられないでしょう。
編集者の視点:私たちは利便性と倫理のどちらを選ぶべきか
GAFAがもたらした技術革新は、私たちの日常を劇的に豊かにしたことは間違いありません。しかし、2019年という年は、その恩恵の代償として何を差し出しているのかを、全人類が再考させられた一年だったと感じます。税逃れを許さない「デジタル課税」の議論も含め、ルールなき成長の時代は終わりを告げようとしています。
アップルがデータ保護の仕組みを記した「白書」を公開するなど、企業側も信頼回復に躍起になっていますが、一度失った信頼を取り戻すのは容易ではありません。私は、テクノロジーの進歩が人間の自由を奪うのではなく、法による適切な規律と倫理観によって、健全に育まれる未来を期待しています。規制と発展のバランスをどう取るか。この難題こそが、次なる2020年代の幕開けにおける最大のテーマとなるに違いありません。
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