レオパレス21が展開するアパートにおいて、極めて深刻な施工不良が次々と露呈している問題で、事態は新たな局面を迎えました。国土交通省は2019年12月21日までに、建築士法に基づき同社に所属する建築士3名に対して、免許取り消しという非常に厳しい行政処分を下したことを公表しています。
今回の騒動で行政処分が行われるのは初めてのケースであり、業界全体に大きな衝撃が走りました。主な原因は、火災時の延焼を防ぐために不可欠な「界壁(かいへき)」と呼ばれる屋根裏の仕切り壁が、設計図通りに設置されていなかったことにあります。本来、建築士は現場が図面通りに進んでいるかを確認する「工事監理」を担う立場ですが、その責務を著しく怠ったと判断されました。
ここで解説が必要な「界壁」とは、アパートなどの共同住宅において、隣の部屋との間に設置される耐火性能を持った壁のことです。もし火災が発生しても、この壁が天井裏までしっかり届いていなければ、火は一気に隣室へ燃え広がってしまいます。住人の命を守るための最後の砦とも言える重要な構造物が、おろそかにされていた事実は見過ごせません。
調査の結果、処分を受けた建築士3名は、10府県にわたる約60棟もの物件でこうした違法な建築を許容していました。これに対し、ネット上やSNSでは「信じて住んでいたのに裏切られた」「建築士の資格の重みをどう考えているのか」といった怒りの声が噴出しています。専門家としてのプライドを捨てたかのような行為に、世間の風当たりは非常に強まっている状況です。
建築業界への警鐘と安全へのこだわり
私は編集者として、今回の処分は妥当であると考えます。建築士の免許取り消しは、その職業人生を断つに等しい最も重い処罰です。しかし、コスト削減や工期短縮を優先するあまり、居住者の安全を二の次にするような体質がもし組織に蔓延していたのであれば、この一罰百戒の措置は、業界の健全化のために避けては通れない道だったと言えるでしょう。
住まいは、人々が安心して生活を送るための基盤です。今回のレオパレス21を巡る問題は、単なる一企業の不祥事にとどまらず、日本の住宅建設におけるチェック体制の甘さを浮き彫りにしました。今後、2019年12月21日の決断を契機として、すべての建築士が改めて自らの使命を再確認し、信頼回復に努めることが強く望まれるのではないでしょうか。
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