今、関西を拠点とする企業の間で、常識にとらわれないユニークな働き方改革の波が押し寄せています。単なる時短勤務や有給消化の推奨にとどまらず、社員の「好き」や「挑戦」を全力でバックアップする姿勢が鮮明になってきました。こうした動きはSNSでも大きな注目を集めており、「そんな会社で働きたい」「夢を応援してくれる制度が羨ましい」といったポジティブな声が続々と寄せられている状況です。
神戸市に本社を構えるアウトドア用品大手の好日山荘は、2019年12月21日までに「長期遠征等サポート休暇制度」という画期的な仕組みを整えました。これは、社員がヒマラヤなどの海外登山に挑戦する際、最長で1年もの長期休暇を認めるものです。アウトドアへの情熱を持つ優秀な人材を繋ぎ止めると同時に、世界最高峰の現場で得たリアルな知見を店舗での接客に還元してもらうという、プロフェッショナル集団ならではの戦略が見て取れます。
この制度の対象は、本社や直営店に勤務する正社員および契約社員の約230人にのぼります。休暇中の給与支給は停止されるものの、復職後の役職や給与水準は完全に保証される点が大きな特徴でしょう。さらに、休職期間も勤続年数としてカウントされ、社会保険料の会社負担も継続されるという手厚い内容です。夢を追いかける社員の将来不安を取り除く、非常に画期的なセーフティネットといえるのではないでしょうか。
「山ごもり」から「副業」まで!組織を強くする関西企業の知恵
一方で、ウェブマーケティングを展開するイルグルム(旧ロックオン)では、通称「山ごもり休暇」というユニークな制度が運用されています。これは年に1回、土日を含む連続9日間の休暇取得を義務付けるものですが、驚くべきは「休暇中の職場との接触を一切禁止する」という徹底ぶりです。強制的に仕事から離れることで、社員のリフレッシュを促すだけでなく、特定の誰かが不在でも業務が滞りなく回る「属人化(特定の担当者しか詳細が分からない状態)」を防ぐ組織作りが期待されています。
また、ロート製薬が先駆けて導入した「社外チャレンジワーク制度」も、副業解禁の成功例として注目を集めています。これまでに約70人がこの制度を利用し、社外での経験を通じて自身の可能性を広げてきました。同社によれば、副業で得た刺激が本業へのやりがいにも繋がっており、周囲の社員に対しても良い化学反応を起こしているそうです。一見すると人材流出のリスクにも思えますが、実際には個人の成長が組織の活性化に直結している好例と言えるでしょう。
私自身の見解としては、こうした「個人の人生を尊重する制度」こそが、これからの人材獲得競争における最大の武器になると確信しています。特に専門性の高い分野では、仕事と趣味を分断するのではなく、個人の情熱をいかにビジネスに融合させるかが鍵となります。東京などの大都市圏に優秀な層が流出しがちな昨今、関西企業が見せるこうした柔軟で大胆な施策は、地域経済に活力を与える新しいモデルケースになるはずです。
コメント