2020年代という新たな時代を迎え、私たちのライフスタイルは日々進化を続けています。振り返れば2010年代は、エンターテインメントの楽しみ方が劇的に変化した激動の10年間でした。ネット上でも「昔に比べて作品との付き合い方が変わった」という声が多く聞かれます。人々の行動に着目すると、現代のエンタメ界を紐解く興味深い「3つのキーワード」が浮かび上がってきました。これからのヒット作を生み出すヒントが、ここにあるのかもしれません。
最初の変化として挙げられるのが、お気に入りの作品を「何度もリピートして深く味わう」という行動です。2019年の映画界では『アベンジャーズ/エンドゲーム』が世界興行収入の記録を塗り替え、日本国内の市場も過去最高の興行収入を叩き出しました。SNSでは「映画館に何回も通ってしまう」という書き込みがあふれ、ファン同士が独自の考察を共有し合う文化が定着しています。情報の海に溺れそうな現代だからこそ、人々は信頼できる作品を何度も愛する傾向にあります。
次なる潮流は、エンタメの舞台が「完全に屋外へとシフトした」という点です。かつては自宅で動画を観ることが贅沢とされましたが、スマートフォンの普及によって、私たちはいつでも外へ飛び出せるようになりました。SNSでも、イベントに参加する様子を投稿することが充実した日常の象徴となっています。2020年4月以降には、東京ディズニーランドの新エリアやユニバーサル・スタジオ・ジャパンの任天堂エリアなど、リアルな体験型施設が続々とオープンを迎える予定です。
こうした屋外エンタメの隆盛に伴い、注目したい技術が「AR(拡張現実)」です。これは、現実の風景にデジタル情報を重ね合わせて表示する技術を指します。VR(仮想現実)が完全に仮想の世界に没入するのに対し、ARは私たちが生きる日常を拡張してくれるため、お出かけとの相性が抜群です。位置情報を使ったゲームや聖地巡礼といった、現実世界と作品がリンクする仕掛けは、今後さらにビジネスチャンスを広げていくでしょう。
そして最も重要な3つ目の行動が、作品の「一員として参加したい」という強い欲求です。ただ客席から眺めるだけでなく、一緒に歌って踊ったり、声援を送ったりするスタイルが定番となりました。映画館で声を出す「応援上映」の定着が、その最たる例と言えます。誰もが主役になれる時代だからこそ、ファンは「自分もこの空間を一緒に作っている」という連帯感を求めています。コミュニティの輪に入ること自体が、最高の娯楽になっているのです。
私は、これからのエンタメビジネスにおいて、この「参加型コミュニティの育成」こそが成否を分ける最大の鍵になると確信しています。どれほど優れた映像美であっても、孤立して消費されるだけでは一過性のブームで終わってしまいかねません。ファンが主体的に関われる余白を残し、愛着を育む場所を提供できるコンテンツこそが、2020年代に人々の心を掴むでしょう。
これからは人工知能(AI)や次世代通信規格「5G」といった最先端テクノロジーがさらに普及し、表現の幅はどこまでも広がっていきます。しかし、どんなに技術が進化しても、エンタメの本質は「人の心を豊かにし、幸福にすること」に変わりはありません。2020年1月10日の時点において、テクノロジーと人間の温かい繋がりが融合した、全く新しい感動の体験が生まれる未来がすぐそこまで来ています。
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