日々の生活やビジネスに直結する食のトレンドをお届けします。2020年1月13日現在、外食産業や仕入れ担当者が熱視線を送る主要な業務用食材の取引価格が明らかになりました。日々変動するマーケットの最新データを紐解くと、これからの食のトレンドや飲食店の経営戦略が見えてきます。SNS上でも「お気に入りの個人経営の定食屋さんが値上げしないか心配」「仕入れ値のやりくりが大変そう」といった、価格の先行きを懸念する声が多数上がっている状況です。
主食の王様であるお米の市場では、2019年産となる新米の取引が活発に行われています。卸業者間で売買される玄米の最上級ランクである「1等米」の60キログラムあたりの価格は、銘柄ごとに特色が現れました。日本を代表するトップブランドである新潟県産の一般コシヒカリは16300円から17000円の間で推移しています。また、高い人気を誇る北海道産のゆめぴりかは16100円から16400円、秋田県産のあきたこまちは14700円から15100円の範囲で安定した動きをみせているようです。
私たちの食卓に欠かせない生鮮野菜の動向も気になるところでしょう。日本最大級の規模を誇る大田市場において、競りを行わずに売り手と買い手が話し合って価格を決める「相対(あいたい)取引」の最高値が公表されました。すべて消費税込みの1ケースあたりの価格となります。愛知県産のキャベツ10キログラムと、神奈川県産の大根10キログラムはともに1404円を記録しました。一方で、静岡県産のレタス10キログラムは3780円と、頭一つ抜けた高値を付けている状況です。
さらに野菜の状況を詳しく見ていくと、熊本県産のトマト4キログラムが1944円、北海道産のタマネギ20キログラムが2160円で取引されています。このように産地や季節によって価格差が生じるため、メニュー全体のコストバランスを考慮した仕入れが求められるでしょう。SNSでは「レタスの値段が上がるとサラダのボリュームに影響しそう」「タマネギは大量に使うから20キロの価格が据え置きなのは助かる」など、飲食店関係者とみられる切実な意見も散見されます。
続いて、デザートやドリンクメニューに彩りを添える輸入果実の現状についてお伝えします。仲卸業者が現金で取引する1箱(カートン)あたりの価格帯が判明しました。定番のフィリピン産バナナ13キログラムは2500円から2800円となっています。爽やかな酸味が魅力のカリフォルニア産レモン140個入りは7000円から7500円、同じくカリフォルニア産のオレンジ88個入りは5500円から5800円です。フロリダ産のグレープフルーツ40個入りは5200円から5500円の間で動いています。
次に、メニューの主役に躍り出ることが多い食肉と卵の価格を見ていきましょう。これらは1キログラムあたりの価格となります。東京の芝浦市場における、取引数量などを加味した「加重平均価格」によると、国産牛の格付けで最高峰とされる「和牛去勢A5」ランクは2689円、「和牛去勢A4」は2243円でした。和牛と乳牛を掛け合わせた「交雑種去勢B3」は1618円となっています。牛肉の品質基準は肉の霜降りの度合いや歩留まりで決まりますが、やはり最高ランクのA5は際立った高値です。
大衆的なメニューを支える国産豚や鶏肉の価格は、比較的安定している模様です。国産豚の標準的な上物肉は540円となり、東京の主要な荷受け企業7社が提示する国産ブロイラーのもも肉は631円となっています。一方で、物価の優等生と呼ばれる鶏卵は全農たまごのMサイズで160円を維持しており、心強い存在と言えるでしょう。手頃な価格帯を好む消費者のニーズに応えるためには、これらの食材をいかに魅力的な一皿に仕上げるかが飲食店の腕の見せ所となります。
海外からの輸入肉に目を向けると、牛丼などで広く使われる米国産の冷凍バラ肉(ショートプレート)が630円から650円で推移しています。また、冷蔵のオーストラリア産チルドビーフフルセットは940円から960円です。さらに、安価な食材として重宝されるブラジル産の冷凍鶏もも肉は300円から310円と、国産の半値近い圧倒的なコストパフォーマンスを誇っています。SNSでも「ブラジル産の鶏肉は本当に家計と飲食店の味方だ」という声が上がっていました。
最後に、高級感のあるメニューに欠かせない豊洲市場の水産物価格を紹介します。千葉県産の生の「本マグロ」は1キログラムあたり7020円という高値を記録し、冷凍のメバチマグロの最高値は3240円となりました。エビフライなどで人気の高いインドネシア産ブラックタイガー(16/20サイズと呼ばれる1ポンドあたり16本から20本入る大きさ)の養殖物は、1.8キログラムの箱入りで一次問屋の卸値の中心価格が3500円です。マグロの価格はブランド力に見合った納得の数字と言えます。
編集部としては、こうした食材価格の動向を踏まえ、飲食店がただ値上げをするのではなく、付加価値を高める工夫を凝らす時期に来ていると考えます。例えば、高騰するレタスの代わりに比較的安定している大根をアレンジしたサラダを開発するなど、知恵を絞ることがファンの獲得に繋がります。価格の数字に一喜一憂するだけでなく、その背景にある産地の状況や消費者心理を読み解くことが大切です。当メディアは、今後も食に関わるすべての人々に寄り添う情報を発信し続けます。
コメント