卓球ファンが固唾をのんで見守るなか、2020年1月19日に全日本卓球選手権の女子ダブルス決勝が開催されました。2年連続で同じ顔合わせとなった運命の一戦を制したのは、やはりこの2人です。伊藤美誠選手と早田ひな選手の「みまひな」コンビが、見事な共鳴を披露して3年連続の頂点に輝きました。お互いが1球ずつ交互に返球するダブルスでは、どちらか一方でも隙が生まれれば勝利は遠のきます。約9カ月ぶりという久々の結成にもかかわらず、彼女たちは息の合った連係を披露し、ブランクを微塵も感じさせない圧巻の強さを見せつけました。
試合中、伊藤選手がトリッキーな「カットブロック」を繰り出し、相手のミスを誘う場面が印象的でした。カットブロックとは、ラケットを上から下に振り下ろして強烈な下回転をかける守備技術のことです。この技で好機を作ると、今度は早田選手がコートから少し離れた中陣から、男子顔負けの強烈なドライブを叩き込みます。進化したお互いの武器を存分に発揮するだけでなく、時には早田選手が巧みにラリーを繋ぎ、2人のポジションを素早く入れ替えるなど、柔軟な戦術も光っていました。多彩な得点パターンは、まさに観客を魅了する美しさです。
SNS上でも「みまひなのコンビネーションは異次元レベル」「久しぶりのペア結成とは思えないほど息がぴったりで感動した」といった絶賛の声が相次ぎ、トレンドを席巻しています。実はこの2人、東京五輪の代表選考レースにおいては明暗が分かれる形となりました。しかし、過酷な戦いの中でそれぞれが個人の技術を徹底的に磨き上げたからこそ、今回の多彩な攻撃スタイルが確立されたのでしょう。お互いをリスペクトし、高め合う関係性がコート上で見事に結晶化したと言えます。
早田選手を指導する石田コーチは、代表選考で苦しい状況にあった時期、伊藤選手が「ひなは強いよ」と何度も励ましの言葉をかけてくれたエピソードを明かしてくれました。パートナーの温かい気遣いに、最高の形で恩返しができた瞬間であり、ベンチ裏の熱い絆に胸が熱くなります。しかし、感動の余韻に浸る間もなく、2人は大会最終日のシングルス準決勝で、今度はライバルとして激突することになりました。最強の相棒から最強の敵へと変わるドラマチックな展開に、ファンの期待も最高潮に達しています。
シングルスに向けて早田選手は、自らの限界を超える「120パーセントの力を出し切りたい」と決意を語り、五輪のバックアップメンバー入りを狙う覚悟を示しました。一方で、3年連続の3冠という偉業を狙う伊藤選手も「自分らしいプレーを貫く」と、いつも通りに凛とした表情で闘志を燃やしています。前回の準決勝では伊藤選手がストレート勝ちを収めていますが、実力を証明したい早田選手にとっては絶好のリベンジ舞台となるでしょう。お互いの手の内を知り尽くした天才同士の真剣勝負から、一瞬たりとも目が離せません。
筆者の視点といたしましては、ただ仲が良いだけでなく、過酷な勝負の世界で互いを認め合う2人のプロフェッショナルな関係性に深く感銘を受けました。これほど高い次元で切磋琢磨できる仲間でありライバルが存在することは、日本卓球界にとっても大きな財産です。ダブルスで見せた圧倒的な強さが、今度はシングルスの舞台でどのように火花を散らすのか、運命の対決を全力で見届けたいと思います。
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