国産木材の輸出価格が3年ぶり急落!米中貿易摩擦と欧州材の流入がもたらす日本の林業への試練

日本の林業を支える国産スギなどの丸太輸出に、にわかに黄色信号が灯っています。財務省が発表した貿易統計によると、2019年11月の平均輸出単価は1立方メートルあたり約1万1800円まで落ち込みました。これは2016年9月以来、実に3年2カ月ぶりとなる安値水準です。SNS上でも「せっかく回復基調だった国内の林業にブレーキがかかるのは痛い」「世界情勢がここまで直撃するとは」といった、先行きを不安視する声が数多く上がっています。

価格急落の背景にあるのが、長期化する米中貿易摩擦です。日本の丸太輸出において、中国は全体の約8割を占める最大の顧客となっています。ここでいう丸太とは、伐採した木から枝を払い、一定の長さに切った未加工の木材のことです。主に九州地方の港から出荷され、現地で工業製品の梱包材や米国向けのフェンス材へと加工されます。しかし、貿易摩擦による景気減速の波が中国を直撃し、梱包材などの需要が一気にしぼんでしまいました。

さらに追い打ちをかけるのが、ヨーロッパから大量に押し寄せる安価な木材の存在でしょう。2018年に欧州全域で発生した虫害や風害の影響により、現地では倒木や腐食を防ぐための緊急伐採が相次ぎました。行き場を失った大量の欧州材が中国市場へ格安で流れ込んだ結果、日本の木材は厳しい価格競争に巻き込まれています。市況の回復を信じて出荷を耐えていた国内の商社からも、品質が落ちる前に損を覚悟で売るしかないという悲痛な声が漏れます。

政府は農林水産物の輸出拡大を掲げ、2018年には木材自給率を36.6%まで回復させていました。しかし、2019年1月から2019年11月までの輸出量は前年同期比で2%減少しており、これまでの右肩上がりの成長に急ブレーキがかかった形です。一国の政治的対立や遠く離れた異国の自然災害が、日本の山林で働く人々の死活問題へと直結する現実は、グローバル経済の恐ろしさを物語っているのではないでしょうか。

今回の危機は、特定の国に依存しすぎる輸出構造の危うさを浮き彫りにしました。今後は中国一辺倒の販路を見直し、国内での新たな木材活用の創出や、東南アジアなど他地域への分散投資を急ぐべきだと感じます。日本の豊かな森林資源を守り、林業を持続可能な産業として次世代へ引き継ぐためには、ピンチをチャンスに変える抜本的な戦略転換が求められているでしょう。

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