暗号資産は次世代の投資対象になれるのか?ビットコイン失速の裏側と今後の展望を徹底解説!

投資家の間で大きな注目を集めてきた暗号資産(仮想通貨)が、現在非常に厳しい局面に立たされています。代表格であるビットコインは、2019年6月24日には一時約1万3800ドルの高値を記録したものの、現在はその水準から4割ほども値下がりしている状態です。市場では「かつての勢いはどこへ行ったのか」と落胆する声も聞かれます。

2020年1月上旬にイランによる米軍基地への報復攻撃が発生した際、株式市場が下落する一方でビットコインは値上がりを見せました。この動きに対して、SNSなどでは「ビットコインは金と同じようにリスク回避のための安全資産として機能しているのではないか」という期待混じりの投稿が相次ぎ、一時的に大きな話題を呼んでいます。

しかし冷静に市場を分析してみると、実態はそれほど甘くはありません。一時7年ぶりの高値をつけた金に対して、ビットコインは2017年12月17日に記録した最高値の約2万ドルから、いまだに半分以下の水準で低迷しています。最近では少し価格が上昇してもすぐに利益確定の売りが出てしまい、上値が重い展開が続いているのが現状でしょう。

こうした価格の伸び悩みは、投資ファンドの動向にも深刻な影を落としています。データによると、2019年に新しく設立された仮想通貨関連のファンドは130にとどまる見通しであり、約300ものファンドが誕生していた2017年や2018年の実績から半減しました。それどころか、市場から撤退するファンドの数は2018年の50から2019年には70へと増加しています。

主要な投資家である富裕層の資産管理組織「ファミリーオフィス」は、規模が小さく機動的な意思決定ができる強みを持っています。それゆえに、市場の先行きが怪しくなると資金を引き揚げるスピードも格段に早いのです。機関投資家が本格的に参入してこないことも、市場の冷え込みに拍車をかけていると言わざるを得ません。

多くの投資家が暗号資産への投資をためらう背景には、「ヘッジ手段」が不足しているという致命的な課題が存在します。ヘッジ手段とは、価格が予想と逆に動いた際の損失を抑える保険のような仕組みのことです。2020年1月13日にはシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)でオプション取引という新たな保険の選択肢がスタートしました。

このオプション取引とは、将来の特定の期日にあらかじめ決めた価格で「買う権利」や「売る権利」を売買する高度な金融商品のことです。これを利用すれば現物取引の損失をカバーできるはずなのですが、先行して2017年にビットコイン先物取引を始めたシカゴ・オプション取引所(CBOE)は、2019年夏にその取り扱いを終了してしまいました。

さらに2019年9月23日に鳴り物入りで始まった先物取引も、市場関係者からは「ヘッジとして十分に機能するほどの流動性がない」と指摘されています。ここで言う流動性とは、市場でいかに手軽に売買できるかという取引の活発さを示す指標です。価格が低迷して売買が減り、その結果としてリスク回避機能が低下するという悪循環に陥っています。

市場が待ち望む最大の切り札は、証券取引所に上場して株式と同じように売買できる「ETF(上場投資信託)」の実現でしょう。しかし、アメリカの証券取引委員会(SEC)は、価格操縦などの不正取引を防止する体制が不十分であるとして、出されている申請をことごとく却下し続けており、投資へのハードルは高いままです。

追い打ちをかけるように、セキュリティ面での問題も頻発しています。2019年7月12日には日本の仮想通貨交換業者であるビットポイントジャパンで約30億円相当が不正流出し、同年11月27日には韓国のアップビットでも約50億円相当の被害が出ました。このような度重なる流出事件が、投資家の信頼を著しく損ねているのは間違いありません。

私は、暗号資産が真の資産として認められるためには、投機的なゲームから脱却し、社会的な信用をゼロから築き直す必要があると考えています。株式や債券とは異なる値動きをするため、リスクを分散する投資先としての魅力は理論上確かに存在します。しかし、現在のままでは一般の投資家が安心して資金を預けられる場所とは言えません。

2020年はフェイスブックが主導する「リブラ」や、中国が開発を進める「デジタル人民元」など、法定通貨などの裏付け資産を持つことで価値を安定させた新しいデジタル通貨への注目が集まっています。ビットコインをはじめとする既存の暗号資産が早期に信頼を回復できなければ、輝かしい未来のあだ花として歴史に埋もれてしまうでしょう。

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