日本全国を包み込む記録的な暖冬の影響により、従来の冬物商戦の構図がガラリと塗り替えられる異例の事態が発生しています。雪不足に悩まされるウインタースポーツ業界や防寒着市場が苦戦を強いられる一方で、本来なら夏に最盛期を迎えるはずのアイテムが奇跡的な大躍進を遂げているのです。
スポーツ用品大手のアルペンでは、スキー板やスノーボードの売り上げが前シーズンと比較して2割から3割も減少するという深刻な状況に直面しています。また、東京千代田区に店を構える専門店のフソウスノーボードでも、売上高が約1割落ち込んでいると岡野将光店長は肩を落とします。
気象庁の発表によると、2019年12月の平均気温は平年値に比べて東日本で1.5度、西日本で1.3度も上昇しました。さらに2020年1月に入るとその傾向は一段と加速し、1月30日までの集計で東日本が2.7度、西日本が2.8度も平年を上回る異次元の暖かさとなっています。
この歴史的な高温はアパレル業界にも暗い影を落としており、日本百貨店協会の調査では2019年12月の全国百貨店衣料品売上高がコート類の不調により前年同月比で8.2%も減少しました。「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングでも、主力である防寒インナーが苦戦しています。
SNS上では「2020年は全く雪がなくてスノボに行けない」「まだ2月なのにコートを着ると暑くて汗をかく」といった困惑の声が続出しています。定番の冬物衣料である「ヒートテック」を擁するユニクロの2019年12月の国内既存店売上高も、前年同月比で5.3%のマイナスを記録しました。
さらに、ドラッグストアでは使い捨てカイロの今季の売れ行きが前年比3割減で推移しているほか、アース製薬では入浴剤の在庫調整に追われる事態となっています。家電量販店のビックカメラでも、2020年1月1日から2020年1月21日までのエアコン販売額が前年同期比で2割も減少しました。
しかし、この「暖冬ビジネス」の波をチャンスに変えた勝者たちも存在します。驚くべきことに、通常は冬に需要が落ち込む冷感グッズや冷たい食品が、今まさに驚異的な売り上げを叩き出しているのです。花王の汗ふきシート「ビオレ冷シート」は、直近の出荷額が前年同期の2倍に跳ね上がりました。
コンビニ大手のローソンでは、2020年1月の氷菓、つまりアイスクリーム類の既存店売上高が前年同月比でなんと8割増という爆発的なヒットを記録しています。人気カフェチェーンの「タリーズコーヒー」でも、温かいドリンクを抑えて冷たいアイスコーヒーの注文が非常に好調です。
ネット上では「暖房の効いた部屋で食べるアイスが最高」「冬なのに汗ふきシートを使うとは思わなかった」といったポジティブな反響が目立ちます。このように、消費者の行動パターンは気候の変動に合わせて柔軟に変化していることが、SNSのリアルな声からも手に取るように伝わってきます。
私個人の見解として、今回の事態は単なる一時的な気候変動ではなく、今後の企業経営における大きなターニングポイントになると確信しています。これからの時代は、「冬だから防寒具を売る」という固定概念に縛られず、地球温暖化を見据えて柔軟に戦略を転換できる企業こそが生き残るでしょう。
コメント