アサヒが国際会計基準の導入後初の減益!スーパードライの苦戦と海外戦略から見える次なる一手とは?

アサヒグループホールディングスが2020年2月13日に発表した2019年12月期の連結決算は、純利益が前年比6%減の1422億円にとどまりました。実は、同社が2016年12月期に「国際会計基準(IFRS)」を導入して以来、純利益ベースでの減益を記録したのは今回が初めてのことです。世界基準のルールで計算してもカバーしきれないほど、国内外の市場環境が激しく変化している現状が浮き彫りになりました。

減益の最大の要因は、看板商品である「スーパードライ」の苦戦です。1990年代の爆発的な成長を支えた固定ファンが高齢化し、さらに若者のビール離れという逆風も重なっています。SNS上でも「最近はビール以外の選択肢が増えた」「若い世代がビールを飲まなくなったのは実感する」といった声が上がっており、時代の変化を痛感させられます。販売数量は7年連続で減少し、2000年のピーク時に比べると4割強の水準まで落ち込んでいるのが現状です。

さらに、海外事業ではユーロに対する円高の進行が収益の足を引っ張る形となりました。為替レートの変動はアサヒ全体で492億円もの減収要因になっており、グローバル展開を進める企業ならではの難しさに直面しています。また、国内の清涼飲料事業も夏場の悪天候によってペットボトル飲料などが伸び悩み、原材料費や物流費の高騰も加わって、本業の儲けを示す事業利益は4%減の2129億円と厳しい結果に終わりました。

しかし、アサヒの未来が暗いわけではありません。私が注目するのは、同社が進める攻めの「M&A(企業の合併・買収)」戦略です。為替の影響で減収とはなったものの、イタリアの『ペローニ』やチェコの『ピルスナーウルケル』といった高級路線の海外ブランドが好調で、国際事業の利益自体は成長しています。単に量を売るのではなく、付加価値の高い商品を届けるブランド戦略への転換は、今後の大きな強みになるでしょう。

2020年12月期について、アサヒは純利益を1%増の1430億円と見込んでいます。ここには約1兆2000億円を投じるオーストラリアのビール大手「CUB」の買収効果はまだ含まれておらず、今後の上乗せが期待されます。韓国での不買運動の影響や、拡大する新型肺炎の動向など不透明な要素は残るものの、伝統的な国内のビール一本足打法から脱却し、世界へと勝負を仕掛けるアサヒの次なる復活劇に、私たちは大いに期待したいところです。

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