【2020年酒税改正】キリン「本麒麟」VSアサヒ「スーパードライ」!増税&減税の嵐の中で激突するビール2大巨頭の次世代戦略とは?

日本のビール業界が、かつてない激動の時代を迎えています。2020年10月1日より、6年という歳月をかけて3段階で実施される「酒税改正」は、各メーカーの運命を左右する一大イベントです。今回の改正では、ビール工場から出荷される際に課される税金が見直され、これまで安さが魅力だった「第三のビール(新ジャンル)」は増税となり、逆に高級感のある「ビール」は減税されます。最終的には2026年10月1日にすべての税額が一本化される予定であり、市場の勢力図が塗り替わるのは確実でしょう。

この大きな転換期を前に、業界を牽引する2大巨頭であるキリンビールとアサヒビールは、驚くほど対照的な戦略を打ち出しました。ネット上でも「お財布に優しい第三のビールが値上がりするのは痛い」「スーパードライが安くなるならビールに戻そうかな」といった、愛飲家たちのリアルな声が次々と飛び交っており、消費者の関心は最高潮に達しています。減税の波に乗る王道ビールか、それとも増税の逆風に立ち向かう節約の味方か、両社の意地とプライドをかけた熾烈な戦いが幕を開けました。

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あえて逆風に挑むキリン!「本麒麟」で圧倒的ブランドへの躍進

キリンは、2020年10月の法改正で約10円の増税となる「第三のビール」に、あえて経営資源を集中させる攻めの姿勢を見せています。その中心にあるのが、2018年3月13日の発売以来、圧倒的な支持を集める怪物ブランド「本麒麟」です。2019年の年間販売量は1510万ケースに達し、前年比で61%増という驚異的な急成長を遂げました。この勢いをさらに加速させるため、キリンは2020年4月に大幅な商品リニューアルを敢行し、大麦の配合量を増やすことで、より本物のビールに近いコクと味わいを追求します。

キリンの布施孝之社長は2020年1月8日の記者会見で、「強いブランド以外は淘汰される。本麒麟をこのカテゴリーで確固たる地位にする」と力強く宣言しました。2019年10月の消費税増税以降、人々の生活防衛意識はさらに強まっています。店頭価格で比較すると、350ミリリットル缶でビールが230円前後であるのに対し、第三のビールは150円前後と、依然として大きな価格優位性があります。税率が変わってもこの圧倒的な割安感は崩れないと、キリンは極めて冷徹にしたたかな計算を弾いているのです。

キリンは2020年の「本麒麟」の販売計画を、前年比26%増となる1900万ケースという強気な目標に設定しました。将来的には、同社の象徴である伝統の「一番搾り」と肩を並べる、もう一つの看板ブランドへ育て上げる構想を描いています。SNSでは「本麒麟はもはやビールそのもの」「このクオリティで家計を助けてくれるなら、多少の増税でも買い続ける」といったファンからの熱い応援コメントが溢れており、節約志向と本物志向を同時に満たすキリンの戦略は、現代の消費者の心に深く刺さっていると感じます。

原点回帰で復活へ!アサヒ「スーパードライ」が狙う若者シフト

一方で、ライバルのアサヒは、酒税改正による「ビールの減税」という追い風を味方につけ、絶対的エースの復権にすべてを賭けています。1987年3月17日の発売当時、経営危機に瀕していたアサヒを救った救世主こそが、ご存じ「スーパードライ」です。しかし、近年は派生商品を乱発したことでブランド力が分散し、2019年の販売量は8644万ケースと前年比で5%減少、7年連続のマイナス成長という苦境に立たされていました。かつて流行を牽引した若者層も今や50代から60代となり、将来的な消費量の減少は避けられません。

この現状を打破すべく、アサヒの塩沢賢一社長は2020年1月8日の会見で、「スーパードライの販促に改めて注力する」と復活への狼煙を上げました。同社がここまでビールにこだわる理由は、国内のビール市場で約5割という圧倒的なシェアを誇る認知度と、発泡酒などに比べて極めて高い利益率にあります。塩沢社長が「利益を犠牲にした過去の経営と決別する」と語るように、安売り競争から脱却し、手厚いマーケティング投資によって若者がビールとつながる機会を再び創出する計画です。

松山一雄専務も、SNSや新テレビCMを駆使して若い世代へのアプローチを強化すると説明しています。ネット上では「やっぱり乾杯はドライに限る」「減税をきっかけに、もう一度若い世代にビールの美味しさが伝わってほしい」といった期待の声が寄せられています。時代に合わせて変化を恐れず、ブランドの原点に立ち返って真っ向勝負を挑むアサヒの姿勢は、老舗ブランドが生き残るための正攻法であり、非常に好感が持てます。ビール系飲料全体の市場が縮小する中での、この英断に注目です。

縮小市場で激化する2強の攻防!勝負の行方は2020年の市場へ

缶チューハイやハイボールといった競合商品の台頭により、国内のビール系飲料市場は15年連続で減少を続けています。しかし、両社にとってこの市場が経営の屋台骨であることに変わりはありません。2018年の課税出荷量を基にしたシェアでは、首位アサヒと2位キリンの間には約3ポイントの開きがありました。それが2019年の販売量ベースの推定では、アサヒの36.9%に対してキリンが35.2%と、わずか1.7ポイント差にまで肉薄しています。まさに互いの背中が見える位置での、限界ギリギリのデッドヒートです。

さらに2020年からはアサヒが販売量の公表を取りやめるため、市場規模や正確なシェアの算出は困難になりますが、だからこそ水面下での戦いは激しさを増すでしょう。酒税一本化に向かう過渡期において、消費者が「価格の安さ」を選ぶのか、それとも「本物のビールの価値」を選ぶのか、その答えが2020年の市場で明かされます。編集部としては、単なる価格競争ではなく、各メーカーが独自のこだわりを磨き抜くことで、日本のビール文化がより豊かで魅力的なものへと進化していくことを心から願っています。

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