賃貸物件の契約数が激減!2019年5月の首都圏市場で起きた「住み替え手控え」の背景を徹底解説

2019年5月、首都圏の賃貸住宅市場において、入居契約件数の減少傾向が非常に目立ってきています。不動産情報サービス大手の株式会社アットホームがまとめたデータによりますと、居住用の賃貸物件の成約数は1万3,783件となり、前年の同じ月と比べて15.7%もの大幅な減少を記録しました。これで6カ月連続で前年実績を下回る結果となり、さらに減少幅も二桁にまで拡大している状況です。この状況からは、物件の募集賃料(家賃のこと)や引っ越しにかかる費用の上昇によって、消費者が住み替えを控える動きが広がっていることが推察されるでしょう。

この成約数の内訳を細かく見ていきますと、マンションは15.0%減、アパートは17.8%減と、どちらも大きく落ち込んでいます。特に、新築の物件における落ち込みは深刻で、新築マンションが18.5%減、新築アパートに至っては45.6%減という驚くべき数字を叩き出しています。中古物件も例外ではなく、中古マンションは14.7%減、中古アパートは14.4%減となっていますから、市場全体で「賃貸物件を借りる」という行動が手控えられていることは明らかだと言えるでしょう。

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「成約賃料」の動きに異変?強気な家賃設定と住み替えのジレンマ

成約数が大きく減少する一方で、2019年5月の1戸あたりの成約賃料(実際に契約が成立した家賃の平均額)は、首都圏平均で見ると複雑な動きを見せています。マンションでは、前年同月比0.5%高い8万9,200円となり、5カ月ぶりに上昇に転じました。これは、依然として都心や利便性の高いエリアでは強気な家賃設定が続いていることの表れかもしれません。

それに対して、アパートは同1.7%低い6万2,400円となり、4カ月連続で下落が続いています。アットホームでは、この成約数の減少の一因として、「賃貸借契約の更新を迎えた際に、今住んでいる物件よりもっと条件の良い物件に住み替えようとする動きが弱まっている」ことを挙げています。つまり、引っ越し費用の高騰や新居の募集賃料への不安から、多少不満があっても契約を更新してしまうという選択をする人が増えているということでしょう。

このデータからは、賃貸市場において「借り手」側が非常に慎重になっている様子が読み取れます。私見ではありますが、特に新築アパートの成約数の大幅な減少は、供給過多や立地条件の厳しさなど、単なる景況感以外の構造的な問題も影響している可能性を指摘したいと思います。この「住み替え手控え」の状況は、賃貸仲介業者や物件オーナーにとって、単に家賃を下げれば解決する問題ではない複雑な課題を突きつけていると言えるでしょう。

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