参院選2019:アベノミクスの真価と「未来の所得」を増やすイノベーションの鍵とは?

2019年07月21日の投開票を目前に控え、日本の針路を決める参議院議員選挙の議論が白熱しています。今回の大きな争点の一つである経済政策「アベノミクス」について、マクロ経済学の権威である立正大学の吉川洋学長は、冷静な視点からその現状を分析されました。現在の日本は有効求人倍率が高水準で推移するなど、雇用情勢が改善している事実は否定できません。しかし、実質経済成長率は平均して1.2%程度にとどまっており、手放しで成功と呼ぶには課題が残る状況です。

SNS上では「仕事は見つかるけれど、生活が豊かになった実感がない」といった切実な声が散見されます。こうした国民の閉塞感を打破するために吉川氏が提唱するのは、一人ひとりが生み出す付加価値、つまり「1人あたりのGDP(国内総生産)」を底上げすることです。GDPとは、国全体で一定期間内に新しく生み出されたモノやサービスの合計価値を指します。この数値を高める原動力こそが「イノベーション(技術革新や新結合)」であり、これこそが日本経済の停滞を打ち破る唯一の切り札となるでしょう。

具体的な成功例として挙げられるのが、訪日外国人客による「インバウンド需要」の劇的な拡大です。これは単に観光客が増えたという現象ではなく、日本の文化やサービスに新たな価値を見出し、それをビジネスへと昇華させた立派なイノベーションの形だと言えます。SNSでも「地方の意外な魅力が世界に評価されている」と話題になることが多く、こうした成功体験を他分野へ波及させることが求められています。政府には、単なる補助金のバラマキではなく、新しい市場を創り出す「マーケットメーキング」の視点が不可欠です。

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「配給」から「成長」へ、超高齢社会を支えるビジネスの創出

現在の与野党の公約を見渡すと、残念ながら「所得の再分配」という名の配給合戦に終始している印象を拭えません。もちろん弱者救済は政治の重要な役割ですが、吉川氏は「子や孫の世代の所得をどう増やすか」という未来志向の議論が欠落していると鋭く指摘しています。富の源泉が細ってしまえば、いくら分け方を議論しても限界が来るのは明白でしょう。将来にわたって持続可能な社会を築くためには、規制改革を断行し、民間企業が存分に力を発揮できる環境を整える必要があります。

特に世界最速で高齢化が進む日本において、介護現場の負担軽減は急務の課題となっています。ここで期待されるのが、最先端の「介護ロボット」などを活用した技術革新を、単なる研究で終わらせずビジネスとして軌道に乗せる取り組みです。私は、こうした分野にこそ政府がリソースを集中投下すべきだと考えます。現場のニーズと技術を結びつける強力なリーダーシップがあれば、日本は「課題先進国」として、同様の悩みを抱える諸外国に先駆けて巨大なヘルスケア市場を支配できるはずです。

2019年07月18日現在、私たちが選ぶべきは、単なる一時的な給付を約束する勢力ではなく、長期的な成長のビジョンを提示できる勢力ではないでしょうか。イノベーションは、誰か一人の天才が起こすものではなく、適切な社会システムと挑戦を後押しする土壌から生まれます。選挙という貴重な機会を通じて、私たちは自分たちの、そして次世代の「稼ぐ力」をどう育むべきか、真剣に向き合う必要があるでしょう。この夏の一票が、将来の日本経済を左右する大きな分岐点となるに違いありません。

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