私たちが暮らす地域でエネルギーを自給自足する「地産地消」の切り札として、再生可能エネルギーが大きな注目を集めています。しかし、その魅力は単に電気を作るだけにとどまりません。実は「投資」という形を通じて、地域経済に潤いをもたらす新しい仕組みが広がりを見せているのです。PwCあらた監査法人のパートナーである太田英男氏は、この分野の専門家として、誰もが参加できる再エネ投資の可能性を熱く語っています。
一般的に再生可能エネルギーへの投資と聞くと、自宅の屋根に太陽光パネルを設置するような直接的な形態を想像される方が多いかもしれません。しかし、現代の投資手法は驚くほど多種多様です。少額から参加できるクラウドファンディングや、専門家が資産を運用して利益を分配する「ファンド」など、自身のライフスタイルに合わせた選択が可能です。これにより、多額の資金を持たない個人でも、地球に優しい事業を支える主役になれるのでしょう。
ここで注目したいのが、投資家層によって「私募ファンド」と「公募ファンド」の2種類に分かれる点です。前者は機関投資家などのプロ向けですが、後者は私たち一般の個人投資家が自由に売り買いできる開かれた存在といえます。特に日本において、この公募ファンドの代表格として期待されているのが、東京証券取引所が運営する「上場インフラファンド市場」です。2016年06月に第1号が誕生したばかりの、非常にフレッシュで勢いのある市場といえます。
安心の透明性と少額投資を両立!上場インフラファンドの画期的な仕組み
2019年06月末の時点で、この市場にはすでに6つのファンドが上場を果たしています。仕組みは非常にシンプルで、市場から集めた資金で太陽光発電所などの設備を購入し、そこから得られる収益を投資家に還元するというものです。証券会社を通じて株式と同じ感覚で手軽に購入できるため、土地の確保や設備のメンテナンスに頭を悩ませることなく、再生可能エネルギーのオーナーのような立場で参画できるのが最大のメリットではないでしょうか。
投資において最も不安なのは「その物件が本当に収益を上げるのか」という点でしょう。上場インフラファンドでは、上場前に専門家が法務や技術の観点から厳格なデューデリジェンス(資産の適正評価チェック)を行います。厳しい基準をクリアした発電所のみが組み入れられるため、信頼性は抜群です。さらに、運用会社には定期的な決算報告やタイムリーな情報開示が義務付けられており、投資家は常に最新の運営状況を把握することができるのです。
こうした透明性の高さは、投資家が安心して資金を預けるための不可欠な要素です。SNS上でも「太陽光発電を個人で始めるのはハードルが高いけれど、上場ファンドなら管理の手間がなくて安心」「少額から社会貢献ができるのは嬉しい」といったポジティブな反応が目立ち始めています。アセットマネジメント会社(資産運用会社)が投資家の質問に真摯に回答する姿勢も、この市場の健全な成長を支える大きな要因となっているのでしょう。
地域経済を支える新たな柱へ!太陽光から広がるクリーンエネルギーの展望
現在、上場インフラファンドで運用されている資産は日本国内の太陽光発電所が中心です。しかし、太田氏は今後の展望として、地域特性を活かした多様なファンドの登場に期待を寄せています。投資を通じて地域の雇用が守られ、経済が活性化する循環は、まさに持続可能な社会の理想形です。将来的には風力やバイオマスといった太陽光以外のエネルギー源を組み合わせた、個性豊かな投資商品が登場することも夢ではないはずです。
編集者の視点から見ても、この「上場インフラファンド」は、貯蓄から投資へという時代の流れと、環境保護という世界的なニーズが合致した素晴らしい仕組みだと感じます。これまでは一部の資本家だけが享受していた再エネの恩恵が、市場を通じて広く一般に開放されることは、民主的なエネルギー社会への第一歩です。自分の資産がどこでどのように社会の役に立っているのかが見える投資は、私たちの心の豊かさにもつながるでしょう。
2019年07月26日現在、再生可能エネルギーは新しい投資のスタンダードとして、着実にその地位を固めつつあります。専門家による確かな裏付けと、市場による厳しい監視の目が光るこの市場は、今後さらに多くの投資家を惹きつけるに違いありません。地球の未来を守りながら、自らの資産も育んでいく。そんな「賢い選択」が、これからの日本をより明るく照らしていくことを切に願ってやみません。
コメント