企業の人事担当者から見た全国の大学イメージ調査で、広島大学が総合ランキングで全国5位という快挙を達成いたしました。これは、中四国エリアの大学としてはもちろんトップであり、西日本の名だたる国公立大学に肩を並べる高い評価と言えるでしょう。この調査は、日本経済新聞社が就職・転職支援の日経HRと共同で、2019年6月6日に発表したもので、2017年4月から2019年3月までの2年間に新卒採用実績のある大学を対象に実施されました。
特に注目すべきは、項目別の評価です。広島大学は、コミュニケーション能力やストレス耐性といった**「対人力」で全国1位に輝き、さらに「行動力」でも全国3位と、社会人として求められる実践的な能力で極めて高い評価を得ています。この「対人力」とは、他者との円滑な関わりや協力関係を築く力、あるいは逆境に立ち向かう精神力などを示す、現代の企業活動において非常に重要な要素です。
中四国エリアに目を向けると、広島大学に続き、香川大学が総合31位、鳥取大学、愛媛大学、徳島大学も全国ベスト50位入りを果たしています。また、公立大学では下関市立大学がエリア内6位(総合54位)に食い込み、国公立大学の健闘が目立つ結果となりました。この傾向は、地域に根差した国公立大学が、学生の社会人基礎力の育成に力を入れ、その成果が企業側に正当に評価されている証だと考えられます。
企業が評価する広島大学の取り組み
広島大学の教育に対する取り組みは、企業からの具体的なコメントにも表れています。ある化学メーカーは「語学力が高い学生が多い」とグローバル化への対応力を評価し、また別の不動産会社は「瀬戸内圏内の地域創生に携わる人材の育成を行っている」と、地域貢献への姿勢を高く評価しています。大学が打ち出す「グローバル化」と「地域創生」という二つの軸が、現代の企業ニーズに見事に合致しているのでしょう。
広島大学グローバルキャリアデザインセンターの江坂宗春センター長も、この結果に手応えを感じているようです。センター長は、企業や公務員で活躍する人材を講師に招いた「社会人基礎力」を身につけるための授業を開始し、ディスカッションなどを通じて学生が自ら考え行動すること**を重視してきたと語っています。まさに、こうした実践的な教育プログラムが、企業が求める高い「対人力」の評価に結びついたのかもしれません。私も、大学教育が単なる知識の伝達に留まらず、社会で通用する力を養成する方向にシフトしていることを非常に心強く感じます。
中四国エリアで2位となった香川大学も、3つの項目で地域2位と安定した評価を獲得しました。企業からは、「産学連携に積極的に取り組んでおり、一般企業とのアライアンスがうまい」という具体的な取り組みへの評価が寄せられています。「アライアンス」とは、企業同士が互いの利益のために提携を結ぶことで、ここでは大学が企業と連携し、研究や人材育成を行うことを指します。この大学側の積極的な姿勢が、学生の資質向上にも繋がっているに違いありません。
さらに、中四国3位の鳥取大学は「独創性」で地域トップの評価を得ており、各大学がそれぞれの強みを伸ばしていることが分かります。一方で、私立大学は広島工業大学が106位に留まるなど、総じてランキングを上げられていません。この結果は、国公立大学が地域社会や企業との連携を強化し、実践的なキャリア教育を充実させることで、そのブランドイメージを着実に高めていることを示唆しているのではないでしょうか。今後、私立大学がどのように巻き返していくのか、その動向にも注目していきたいと思います。