世界のバイオ医薬品業界に激震が走るニュースが飛び込んできました。アメリカのバイオ製薬大手であるアムジェン社は、2019年08月27日、同業のセルジーン社から乾癬(かんせん)治療薬「オテズラ」を約134億ドル、日本円にして約1兆4000億円という破格の現金で買い取ることを公表しました。この買収劇は、単なる一つの薬の権利譲渡にとどまらず、巨大企業同士の思惑が複雑に絡み合った歴史的な決断といえるでしょう。
今回取引の対象となった「乾癬」とは、皮膚が赤く盛り上がり、銀白色のフケのようなかさぶたが剥がれ落ちる慢性の皮膚疾患を指します。免疫バランスの崩れが原因とされており、完治が難しい一方で、患者様の生活の質(QOL)に直結する重要な領域です。オテズラは、細胞内の免疫反応を調整する「PDE4阻害薬」というタイプのお薬で、従来の注射薬とは異なり飲み薬であることから、利便性の高さで市場から非常に高い評価を得ています。
巨大合併への「最後の一手」となる事業売却の背景
なぜこれほど有望な薬をセルジーン社は手放すのでしょうか。その裏には、米製薬大手ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)によるセルジーンの買収計画が深く関係しています。アメリカの独占禁止法を監視する当局からの承認を得るためには、市場の独占を避けるために一部の事業を切り離す必要がありました。この「独占禁止法」とは、特定の企業が市場を支配して不当に価格を吊り上げたり、競争を妨げたりしないよう制限する法律のことです。
SNS上では、この莫大な買収額に対して「1.4兆円という数字に驚きを隠せない」「乾癬治療の選択肢が今後どう変わるのか注目したい」といった驚きや期待の声が数多く寄せられています。アムジェン社にとっては、自社の得意分野である抗炎症薬のポートフォリオを一層強固にする絶好の機会となりました。一方で、これほど価値のある新薬を放出してまで合併を急ぐBMSとセルジーンの執念からは、製薬業界における規模の拡大がいかに死活問題であるかが伝わってきます。
個人的な見解を申し上げれば、この買収は患者様にとっても決して悪い話ではないはずです。豊富な資金力と流通網を持つアムジェンの傘下に入ることで、オテズラがより多くの必要とする人々へ迅速に届けられる体制が整うからに他なりません。企業同士の巨大なマネーゲームの側面は否定できませんが、その先にあるのは常に「病に苦しむ人々への福音」であってほしいと願うばかりです。業界再編の波が加速する中、次の一手がどこから放たれるのか目が離せません。
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