沖縄都市モノレールが運営する「ゆいレール」は、2022年度にも現在の2両編成から3両編成の車両を導入する方針を固めました。沖縄県の観光が好調に推移し、モノレールの利用者数が急増していることに対応するためです。政府からの財政支援に目途がついたことで、長年の懸案だった輸送力増強に踏み切ることになりました。
沖縄都市モノレールは、2019年6月12日に那覇市内で開かれた株主総会で、この3両化計画を明らかにしています。新たな3両編成は、車両を新造するか、既存の車両に1両を付け足す形で対応する見通しです。将来的には、全9編成を3両化する計画で、まずは2022年度中に3両編成の車両を2編成新造し、走行試験などを経て早期の導入を目指すとのことです。その後も、車両が調達でき次第、順次投入していく予定でしょう。
沖縄の観光客は年々増加傾向にあり、那覇空港と那覇市の中心部を結ぶゆいレールは、2003年度の開業以来、その役割の重要性が高まっています。2018年度の1日あたりの平均利用者数は約5万2千人に達し、開業時から実に6割も増加しているのです。また、2020年3月には那覇空港の第2滑走路が運用を開始する予定であり、さらなる利用者数の増加が見込まれています。沖縄都市モノレールは、2030年度の利用者数を7万5千人と見込んでおり、この推計に基づいて今回の3両化計画を策定したといえるでしょう。
この利用者数の増加は、沖縄が国内外から注目を集める観光地としての魅力が高まっている証拠であり、ゆいレールの3両化は、まさに沖縄経済の**「動脈硬化」を防ぐ重要な対策だと考えられます。現行の2両編成では、特に観光シーズンや朝夕のラッシュ時には、乗客が乗りきれないほどの混雑が発生しており、SNSでは「キャリーケースを持って乗るのは大変」「満員で次の電車を待った」といった、混雑に対する不満の声が多く見受けられます。こうした状況を鑑みると、今回の3両化は利用者にとって利便性の向上**に直結する、非常に喜ばしいニュースではないでしょうか。
増強を支える巨額の財政支援と資金調達の工夫
かねてより3両化の必要性は指摘されていたものの、総事業費の高さから、地元自治体の財政負担が大きな課題となっていました。今回、沖縄都市モノレールは、ホームドアや車両基地の整備を含めた総事業費を280億円と試算しています。この巨額な事業費に対し、政府が179億円、沖縄県と那覇市、浦添市の地元自治体が45億円、そして沖縄都市モノレールが56億円を負担することで調整がつきました。
政府は、このゆいレールの輸送力強化を後押しするため、新たに**「3両化導入加速化事業」を創設する方針です。内閣府は、この事業に関連する経費を2020年度予算の概算要求に盛り込む方向で検討を進めているとのこと。このような国を挙げた支援体制が整ったことが、今回の計画実現の大きな要因といえます。
沖縄都市モノレールが負担する56億円については、沖縄振興開発金融公庫からの融資でまかなう予定です。また、同社は2019年3月末時点で27億円の債務超過を抱えており、これを解消する必要があるため、沖縄県と那覇市からの貸出金を株式に振り替えるデット・エクイティ・スワップ(DES)の実施も検討されています。DESとは、負債(デット)を資本(エクイティ=株式)に交換(スワップ)する手法で、企業の財務体質を改善する効果があります。金融的な手法も駆使して事業を進める、その意欲的な姿勢は評価に値するでしょう。
ゆいレールは、2019年10月には、約4キロメートルの延伸を行い、新たに浦添市方面に4つの駅を新設する計画も進んでいます。今回の3両化計画は、この延伸による利用者増も見据えたものであり、沖縄の公共交通インフラ**を大きく進化させるものとして期待が高まります。今後のゆいレールの発展は、沖縄の観光と経済の発展に欠かせない要素となるに違いないでしょう。
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