国産サカキの救世主!元ミュージシャンの農家、青山大介さんが富士宮の耕作放棄地で挑む伝統文化の再生

神棚や仏壇に手を合わせる際、欠かせないのが「サカキ」や「シキミ」といった切り枝です。私たちの暮らしに深く根付いているこれらの植物ですが、実は現在、国内流通量の約9割を中国産が占めているという驚きの事実をご存じでしょうか。そんな現状に一石を投じ、日本の伝統文化を足元から支えようと立ち上がったのが、静岡県富士宮市で農業を営む青山大介さんです。

2019年09月14日現在、青山さんは富士宮駅から車で10分ほどの山間部で、青々と茂る約6,000本の木々を丹精込めて育てています。かつては茶畑だったものの、相場の低迷や人手不足で放置されていた2.4ヘクタールもの土地を借り受け、新たな息吹を吹き込みました。栽培しているのは、神事と仏事の両方に重宝される「ヒサカキ」を中心に、神事用の「ホンサカキ」、仏事用の「シキミ」と多岐にわたります。

ここで少し専門的な解説を加えますと、サカキ(榊)は神の宿る木として神棚に供えられ、シキミ(樒)は強い香りが邪気を払うとされ仏事に用いられる植物です。青山さんは「小売店の多くは海外産ですが、やはり国産を求める声は根強い」と語ります。SNS上でも「神様へのお供えは地元のものがいい」「国産のサカキは持ちが違う」といった意見が多く見られ、青山さんの挑戦は多くの消費者の共感を呼んでいるようです。

青山さんの経歴は非常にユニークで、かつてはF1のメカニックを志し、その後はギタリストとして音楽に没頭していました。しかし26歳の時に指の不調から音楽の道を断念し、会社員として働く中で転機が訪れます。度重なる事業所閉鎖などを経験し、「自分の努力がダイレクトに反映される世界で生きたい」と39歳で独立を決意したのです。このバイタリティこそが、新しい農業の形を作る原動力となっています。

人件費の上昇などで中国産との価格差が縮まる中、国産サカキの需給は逼迫しており、青山さんはそこに大きなビジネスチャンスを見出しました。2年間の修行を経て、2019年から本格的に栽培を開始しており、2020年には出荷を始める予定です。今後は作付面積を5ヘクタールまで拡大し、インターネットを通じた個人向けの直販も視野に入れているといいます。

私個人の意見として、グローバル化が進む今だからこそ、精神文化に直結する植物を自国で賄う意義は極めて大きいと感じます。元ミュージシャンという異色の経歴を持つ青山さんが、耕作放棄地を美しい緑に変えていく姿は、地域再生の理想的なモデルケースではないでしょうか。「伝統を支えている実感がモチベーション」と語る彼の笑顔は、日本の農業の明るい未来を象徴しているようです。

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