仙台高等裁判所の岡口基一(おかぐち きいち)裁判官(53)が、Twitter(ツイッター)へ不適切な裁判関連の投稿を繰り返した問題で、事態が重大な局面を迎えていることはご存知でしょうか。最高裁判所は既にこの問題に対し、分限裁判(ぶんげんさいばん)という手続きで「戒告(かいこく)」という処分を下していますが、今度は国会に設置された裁判官訴追委員会(さいばんかんそつい いいんかい)が、岡口裁判官を国会の裁判官弾劾裁判所(だんがいさいばんしょ)へ「訴追(そつい)」するかどうかを、2019年6月25日にも最終的に決定する見通しであることが、2019年6月17日までに明らかになりました。
今回の件は、裁判官という極めて高い公共性と倫理性が求められる職務にある人物が、私的なソーシャルメディアでの言動によってその信頼を問われている、極めて異例のケースといえるでしょう。SNSが生活に深く浸透している現代において、公職にある者の情報発信のあり方、特に裁判官の独立と、その言動に対する責任のバランスについて、非常に重い問いを投げかけている事件だと、私ども編集部も強く感じています。
まず、今回の手続きの流れにある**「分限裁判」と「訴追」という二つの言葉について、簡単に解説いたします。「分限裁判」とは、裁判官が職務上の義務を怠ったり、品位を損なうような行為があったりした場合に、その裁判官の身分に関わる懲戒処分を決定するための裁判です。今回の最高裁の「戒告」処分は、裁判官に対する懲戒処分の中では最も軽いものにあたります。一方、「訴追」**とは、裁判官が罷免(ひめん)されるべき事由がある場合に、国会の機関が弾劾裁判所に対してその裁判官の裁判を求める行為のことを指す専門用語です。つまり、訴追されれば、弾劾裁判所によって裁判官の身分を失わせる「罷免」の可否が判断されるという、極めて重いプロセスに進むことになります。
この一連の報道を受けて、インターネット、特にSNS上では大きな反響が巻き起こっています。多くのユーザーからは、「裁判官もSNSを使う時代とはいえ、職務に関わるデリケートな情報は控えるべきだ」「司法の公正さが疑われてしまう」といった、裁判官のSNS利用に対する懸念や批判の声が目立っております。一方で、「表現の自由との兼ね合いはどうなるのか」「一律に規制するのは行き過ぎではないか」といった、処分や訴追の判断の妥当性について議論を呼ぶ意見も散見され、司法のあり方と個人の自由という、難しいテーマに多くの関心が集まっている状況です。
今回の訴追の可否を判断する裁判官訴追委員会は、衆議院と参議院の国会議員から各10名、計20名で構成されています。訴追を行うためには、出席委員の3分の2以上の賛成が必須条件となっており、これは衆参各7名以上が出席した場合、出席者の多数決ではなく、厳格な要件が求められていることを示しているといえるでしょう。この訴追委員会の判断は、岡口裁判官の運命を左右するだけでなく、今後の裁判官のSNS利用の規範にも大きな影響を与える重要なものとなります。
訴追判断の行方と司法の信頼
訴追が決定された場合、岡口裁判官の処遇は裁判官弾劾裁判所に委ねられることになります。この弾劾裁判所は、国会議員によって組織され、日本の司法において裁判官の免職(めんしょく)の可否を決定する唯一の機関です。弾劾裁判によって罷免が決定されれば、その裁判官は職を失うことになります。この一連の厳格な手続きからも、裁判官という職の重大さと、国民からの信頼を守ることへの強い意志がうかがえるのではないでしょうか。
私ども編集部は、今回の問題が単なる一裁判官の個人的なトラブルではなく、デジタル時代における公権力のあり方、そして何よりも司法に対する国民の信頼に関わる、極めて重要な試金石になると考えております。2019年6月25日にも下されるという、裁判官訴追委員会の最終判断がどのような結論になるのか、そしてそれが司法界にどのような波紋を広げるのか、引き続きその動向を注視していく予定です。
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