信号業界の雄として知られる京三製作所が、その卓越した安全技術を武器に、日本国内から世界へと大きく舵を切っています。2019年10月18日現在、同社は鉄道の運行に不可欠な自動列車制御装置(ATC)や道路信号、さらには半導体製造向けの電気機器など、私たちの社会基盤を支える多彩な製品を展開しているのです。
特に注目を集めているのが、駅の安全を守る「ホームドア」の存在でしょう。2020年度までの完備を目指す横浜高速鉄道みなとみらい線では、同社が手がける本体が透明なスタイリッシュなデザインのホームドアが採用される予定です。こうした視覚的な美しさと機能性の両立は、都市の景観を損なわない次世代のインフラとして高く評価されています。
ネット上のSNSでも「透明なホームドアは圧迫感がなくて良い」「隙間を埋める自動ステップの動きがハイテクで安心する」といった好意的な声が多く寄せられています。この自動ステップ機能は、列車とホームの間に距離がある場所で物理的な隙間を解消するもので、東京メトロ銀座線を含む160以上の駅で既に導入されており、バリアフリー化の立役者と言えるでしょう。
国内から世界へ!インド市場を起点としたグローバル戦略の全貌
京三製作所が守る「安全」は、目に見えるものだけではありません。列車の進路を制御する「電子連動装置」や、運行状況をリアルタイムで監視する「列車運行管理システム」など、交通の心臓部ともいえるITインフラを陰で支えています。専門用語である「電子連動装置」とは、簡単に言えば信号機やポイントの切り替えが矛盾しないようコンピュータで制御し、衝突事故を未然に防ぐ極めて重要なシステムのことを指します。
同社の担当者は「安全対策への投資は景気の波に左右されにくい」と語りますが、日本国内では新規路線の建設が落ち着きを見せているのが現状です。そこで同社は、2018年度から2020年度にかけての中期経営計画において、売上高900億円、海外売上高比率を1.5倍の310億円に引き上げるという野心的な目標を掲げ、成長の軸足を海外へと移しつつあります。
その象徴的な舞台がインドです。2013年に現地法人を設立して以来、同国国鉄の500を超える駅で電子連動装置の受注を勝ち取るなど、着実に実績を積み上げてきました。今後は現地生産を強化し、コスト競争力を高める方針です。商社を通じた一括受注に頼る企業が多い中で、自ら技術力を武器に提案を行う同社の姿勢は、日本の技術が世界標準になるための正攻法だと私は確信しています。
単なる機器メーカーに留まらず、現地のニーズを汲み取ったソリューションを提供し続ける京三製作所。国内で培った「究極の安全」が、アジアの巨大な鉄道網をアップデートしていく過程は、日本のものづくりの新たな可能性を示唆しているのではないでしょうか。今後の世界展開から目が離せません。
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