2019年10月21日、日本の地域金融に大きな動きがありました。全国地方銀行協会、通称「地銀協」が、地方銀行の証券業務を担う次世代のエースを育成するため、本格的な講座を開設すると発表したのです。低金利が続き銀行本来の収益が厳しさを増すなかで、新たな収益の柱として期待される証券部門の強化は、まさに地銀にとっての死活問題と言えるでしょう。
今回、2019年11月上旬からスタートするこの講座では、外部の専門家を講師に招くという徹底ぶりが光ります。主な内容は、銀行本体と証券部門がどのように連携して営業を展開すべきか、そして投資家を保護するために欠かせない「コンプライアンス(法令順守)」の徹底という二本柱です。ルールを守りつつ攻めの姿勢を崩さない、高度なスキル習得が目指されています。
証券子会社の収益改善が急務!地銀が直面する高い壁
現在、全国には約25社の地銀系証券子会社が存在していますが、その経営環境は決して楽観視できるものではありません。市場が停滞し、思うように金融商品の販売が伸び悩んでいるのが実情でしょう。さらに「銀行の看板」を十分に活かしきれていない、組織間の連携不足もたびたび指摘されてきました。SNS上でも「地銀の窓口で証券の話をされても少し不安」といった声が散見されます。
こうした不信感を払拭するためには、単なる商品知識だけでなく、お客様の人生設計に寄り添う提案力が不可欠です。本講座を通じて営業力の底上げを図り、銀行本体の顧客基盤を証券業務へスムーズに繋げる仕組み作りが急がれています。私個人の見解としては、地域を熟知した地銀だからこそできる「対面ならではの安心感」を武器にするべきだと確信しています。
コンプライアンスという言葉は、直訳すれば「法令順守」ですが、現代では法律を守るだけでなく「社会的な期待に応える誠実な行動」も含まれます。地方銀行が信頼を失えば、地域経済そのものが揺らぎかねません。2019年11月から始まる学びの場が、地銀の証券業務を「ただの販売」から「真の資産運用パートナー」へと進化させる契機になることを期待して止みません。
コメント