職場での深刻な悩みであるパワーハラスメント、いわゆる「パワハラ」の防止がいよいよ企業の義務となります。2019年に入り、厚生労働省が発表した「いじめ・嫌がらせ」に関する相談件数は8万2797件と過去最高を記録しました。こうした背景を受け、女性活躍・ハラスメント規制法が成立し、いよいよ対策が急務となっているのです。
具体的には、大企業では2020年06月01日から、中小企業でも2022年04月01日から適用が開始されます。これに伴い、メンタルヘルス対策を支援する各社が画期的な新サービスを続々と投入しています。SNS上では「社内の窓口には相談しにくい」「実効性のある対策をしてほしい」という切実な声が溢れており、外部サービスの活用に期待が寄せられています。
プロが支える外部相談窓口とEAPの重要性
今回の義務化において注目されているのが、EAP(従業員支援プログラム)と呼ばれるサービスです。これは、メンタルヘルスやハラスメントの問題を専門家がサポートする仕組みを指します。例えば、セーフティネット社はカウンセラーが電話やメールで直接悩みを聞く外部窓口を開始しました。
社内の人間関係を気にせず本音を話せる場所があることは、問題の早期発見に直結するでしょう。料金面でも、従業員数が101名から500名程度の規模であれば、1人あたり年間1000円程度で導入可能です。コストを抑えつつ、法令遵守と社員の安心を両立できる点は、中堅・中小企業にとっても大きなメリットになると私は考えます。
感情をコントロールする「アンガーマネジメント」研修の最前線
単に相談を受けるだけでなく、加害者を生ませない「再発防止」の動きも加速しています。アドバンテッジリスクマネジメントやティーペックでは、感情を制御する手法を学ぶプログラムの提供を始めました。これは自分の怒りや衝動を理解し、適切に管理する「アンガーマネジメント」に近いアプローチと言えます。
「ついカッとなってしまった」という言い訳が通用しない時代だからこそ、コミュニケーションの取り方を根本から見直す研修への引き合いは非常に強まっています。罰則を恐れるだけでなく、多様な価値観を認め合える組織文化を育むことこそが、これからの企業経営における真の危機管理ではないでしょうか。
コメント